メモリは2GBで足りるのか?

ここからはスペックに目を向けよう。まず、AMDのE1-2100 APUは、2コア/2スレッドのプロセッサ。TDPが9Wと低消費電力なのは魅力だが、一世代前のアーキテクチャで動作クロックが1GHzと低いこともあり、パフォーマンス不足は否めない。

標準のメモリが2GBと少なく、ストレージもHDDであるため、アプリケーションの起動やフォルダの開閉にも遅さを感じることがある。ブラウザやオフィス程度ならば十分にこなせるとはいえ、プラス3,000円(税別)でメモリを4GBにしておくことをお勧めしたい。

右側面には2基のUSB 2.0、ヘッドホン端子、マイク端子、有線LAN、SDカードスロットを備える

左側面にはD-Sub15ピン、HDMI、1基のUSB 3.0を搭載している

バッテリと底面のカバーを外したところ。メモリスロットにもストレージにもアクセスしやすい

実際の性能は? ベンチマークで実力チェック

ベンチマークで性能をチェックする。使用するのは、PCの総合的な性能を測定する「PCMark8」のHome acceleratedと定番オンラインRPGのベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の2種類だ。今回試用したのはWindows 7モデルなので、Windows エクスペリエンスインデックスも合わせて掲載する。

Windows エクスペリエンスインデックス

PCMark 8 (Home accelerated)

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

「PCMark8」の結果はどの数値も高いとはいえない。性能的には、Intelの"Bay Trail-M"ことCeleron N2920に近いレベルだ。3万円台という価格を考えると妥当といえる。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」についてもプレイするのが困難といえる数値だ。E1-2100 APUは、GPUとしてRadeon HD 8210が搭載されているが、GPUコアクロックは300MHzと低いため、3Dゲームをプレイするのは難しいと考えていいだろう。

バッテリ駆動時間のチェックには、「PCMark8」のHome accelerated Battery lifeを利用した。カタログ上の駆動時間は約3.9時間となっているが、Battery lifeの結果は2時間42分16秒だった。長時間のバッテリ使用には向かないようだが、同社もNY40Sを本格的なモバイルノートPCとは位置づけておらず、コンパクトノートPCとして打ち出している。

PCMark 8 (Home accelerated Battery life)

家庭用のサブノートPCとして魅力ある一台

Windowsタブレットと比べると性能面は同程度。価格はむしろ有利といえる。デザインはシンプルで落ち着いたもので、キーボードも使いやすい。仕事用や家族用のサブノートとして十分に活躍できる。Windows XPのサポートが終了した今、古いノートパソコンからの買い替えにもオススメだ。また、E1-2100 APUは、低消費電力、低発熱であるため、動作音が静かなのもポイントといえる。

OSが選べるのも特徴だ。Windows 7(税別39,000円~)と無料OSとして話題のWindows 8.1 With Bing(税別32,000円~)の搭載モデルが用意されている。価格を考えればWindows 8.1 With Bingだが、昔からのインタフェースを踏襲しているWindows 7のほうがいい人もいるだろう。手厚いサポートで定評のあるエプソンのノートPCが3万円台で手に入るのは大きな魅力だ。

製品名 Endeavor NY40S
APU AMD E1-2100 (1GHz)
メモリ PC3L-12800 2GB
グラフィックス AMD Radeon HD8210 (APU内蔵)
ディスプレイ 11.6型ワイド液晶 (1,366×768ドット)
ストレージ 500GB SATA HDD
ネットワーク IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、1000BASE-T対応有線LAN
サイズ/重量 W297×D193×H36mm/約1.2kg
バッテリ駆動時間 約3.9時間 (JEITA 2.0)
OS Windows 7 Home Premium
直販価格 税別39,000円