それとは逆に、「iWatch」などの名称で噂されるAppleのウェアラブル製品には期待を抱いている。未開拓な市場の場合、ユーザーに対して「こういうシーンで利用できると面白いんじゃないか?」「生活のちょっとしたスパイスになるかもしれない」「自分も使ってみようかな」と思わせるようなモチベーション喚起の用途提案が重要で、このあたりの盛り上げ方はAppleのほうがうまいと考えているからだ。

最終的にできることはAndroid Wearと大差なくても、生活提案も含めてパッケージをユーザーに提案することで「その気にさせる」というのは非常に重要なことだ。Googleはエコシステム整備を重視しているように見えるが、いまひとつブレイクしない分野での起爆剤としてはApple型の生活提案のほうが共感を得て大きな反響を生むように思える。もちろん製品としての出来も重要で、最初は厳しい意見も多かったiPhoneがあれだけブレイクしたのも、決して高性能ではないスペックの中でWeb技術をうまく取り込んで快適に操作が可能だったのが大きいと考える。

新分野の開拓には「ちょっとしたハッタリ」や「煽り」、そして「確実な使いやすさ」の3つがポイントだ。その点で、今秋のAppleにはこの3つのスパイスを盛り込んだ新製品の発表を期待したい。