――松浦さんが今回演じたのは、中学時代に"デブス"といじめられたコンプレックスの持ち主。目と鼻をプチ整形したことで以前とは別人の高校生活を送りますが、整形がバレてしまいます。なかなかすごい背景ですね。
そうですね。ネットのニュースには"悪女"として紹介されていたのですが、私自身"悪女"というものがよく分かっていなくて。あとは、"整形した美女"みたいに書かれていたのを見て、自分のことを言われているような気がして(笑)。第1話では、彼女が築き上げた地位が一気に崩れてしまいます。
――転落したその後は?
2話以降では、自分が傷ついたことやその時に学んだことを生かすために行動していきます。マイナスから入ってプラスな人間に…"ワル"な私は1話しか見られないので、貴重ですよ(笑)。
――『GTO』は、原作はもちろんのこと、反町隆史さんが演じたドラマから多くの人に親しまれてきた作品。しかも、第1話の中心人物です。
今までで一番、プレッシャーを感じました。いろいろな場面で感じてきたと思うんですけど…『セーラームーン』のミュージカルで演じたセーラーマーキュリーも、もともとのイメージを変えずに演じなければならなかったですし。『ごちそうさん』のふ久に関しても、ドラマ初出演が朝ドラという状況。どちらもプレッシャーはありました。だから、無心で切り抜けたという感じでした。
いろんなことに目を向けられるようになった今。ふ久をやり切った私を認めてくださったから、お話をいただけたのかなとも考えたりします。ただ、あれは自分の力だけで乗り越えられたことではありません。「実力があったから出れたんでしょ?」と言ってくださる方もいるんですけど、ビギナーズラックです(笑)。ただ、『GTO』はハードルが上がった状態で臨まなければならない作品でした。
――確かにそういうイメージを抱くのは仕方のないことかもしれません。
今までで一番のプレッシャーと不安が重くのしかかってきました。いろいろ考えて考えて、考えて行ったんですけど…全部意味がありませんでした。台本も読み尽くしてて、そのことに疑問すら抱かずに現場に入ったんですが、初日にすぐに意味ないことだったと思いました。
書かれていることをある程度理解してしまえば、相手の言葉に対して自然と感情が生まれてくる。一人でやり続けても、それは頭の中でのイメージでしかありません。お芝居をやる上では「あまり考えなくてもいいんだ」ということを、今回知ることができました。
――以前のインタビューは半年ほど前。まるで別人と話しているような頼もしさを感じます。これからもいろいろな作品で経験を積んでいきたいという感じですか。
そうですね。今は、とにかくお芝居に触れていたい。『GTO』は現代劇ですけど全く世界観の違う、例えば宝塚の映像なんかを見た時に、「こっちもやってみたい」とか思ってしまうんです。演劇部に入っていた友だちとディズニーの話で盛り上がって「ちょっと、やろ!」と即興劇をやったり(笑)。プライベートでもそうやって、無意識にお芝居に触れようとしている自分に気づいて…私ホントにお芝居が好きなんだなって思っちゃいました(笑)。
――以前よりも演技の虜になっているわけですね。
もっとのめり込みたいですし…いろいろチャレンジしたいことがありすぎて、その欲求が爆発してるんだと思います。
――確かにお話しているとエネルギーが満ちあふれているような気がします。
そうですか(笑)。『ごちそうさん』の時はそんなエネルギーをドワーッと使っていたのが、今は溜まっていたものを吐き出しても、また新しいものが溜まってワシャワシャワシャーみたいな。…これ、記事になる"ワシャワシャワシャー"じゃ伝わらないですよね。ごめんなさい(笑)。でも、そうやってこぼれっ放しの状態にしたくないんだと思います。