今回の2014 Samsung SSD Global Summitでは、データセンター向けの新型2.5インチSSDも発表されているので、簡単に紹介しておこう。「Samsung SSD 845DC EVO」は従来型の3bit MLC NANDフラッシュ(TLC)、「Samsung SSD 845DC PRO」は3D V-NAND技術を用いたMLC NANDフラッシュを搭載している。
両者はターゲットとするサーバー用途がまったく異なり、Samsung SSD 845DC EVOが狙うのは、コンテンツサーバーなどデータの読み込みが多い用途だ。こうしたサーバーは、一度データを書き込んだあとは読み込み動作がほとんどで、SSD(NANDフラッシュ)の寿命に影響する書き換えが少ない。よって、2bit MLCや1bit SLCのNANDフラッシュと比べて書き換え寿命が短い3bit MLC NANDフラッシュでも、大きな問題にはならないのだ。それよりコストが重要で、大量のSSDを一気に導入するようなケースを想定する。
「Samsung SSD 845DC EVO」と「Samsung SSD 845DC PRO」が想定するサーバー用途 |
ランダムライトが続くヘビーな環境でも、Samsung SSD 845DC PROはIOPSの落ち込みが少ない |
一方のSamsung SSD 845DC PROは、アプリケーションサーバーやデータベースサーバーといった、データの書き換え要求が頻繁に発生する用途向けだ。3D V-NANDフラッシュメモリの耐久性と長寿命は、Samsung SSD 850 PROのところで述べた通りだが、Samsung SSD 845DC PROはガベージコレクションによる速度低下への耐性が高い。4Kランダムライトを継続して行うテストでも、IOPS性能の落ち込みが低くなっている。
Samsung SSD 845DC EVOとSamsung SSD 845DC PROはともに7月発売だが、一般的なショップの店頭に並ぶことはなさそうだ。主に販社を通じて、データセンターやサーバーを扱う市場へ投入される。