――昨年5月には『世にも奇妙な物語'13春の特別編』の「呪web」に出演されましたね。今回と同じく「呪い」がテーマ。恐怖の対象は人間でしたが、本作と同じように悲鳴のシーンもありました。そこの経験が本作にもつながっているのでしょうか。

そこでの経験は本当に大きかったですね。あの作品はホラーではないんですが、叫んだりするのは、その時に学ぶことができたから本当によかったなと思いました。当時は完成した映像を見た時に、全然まだまだって思ってしまったんですよね。納得できていませんでした。こうして『呪怨』でリベンジする機会があって、よかったなと思います。

――納得できなかったのはどのシーン?

押し入れから人が出てくるシーンがあって、そこはもっと驚くことができたなぁって(笑)。恐怖の絶叫系を演じるのは、あの『世にも奇妙な物語』が初めてだったんですよ。当時は監督に「今のどうですか?」ってすぐに聞きに行ってて(笑)。大丈夫って言われても全然納得できていませんでした。

――その経験を経ての本作。自己評価としてはいかがですか。

反省点はたくさんあります。それは今回だけではなくて、いつもそうなんですけど(笑)。だから、撮り終わってからも落ち込むことの方が多いです。やっぱり、自分だけでは分かりませんから、誰かに「あのシーンがよかった」とか言われたりすると…うれしいですね(笑)。自信なんて全然ないです。

――でも、ここ最近は作品数も増えて、演技にもどっぷり浸かってますね。

そうですね、浸かっています。というか、浸かっていたい(笑)。もっともっと、自分を追い込みたい。状況が大変なほど、得るものは多いと自分で思っています。つらければつらいほど良い経験になって、自分を大きくしていく材料になればいいなと。とにかく今は、なんでも挑戦したいという気持ちです。

――会見の時、とても印象的だったのが「親への恩返しになる」とおっしゃっていたんですね。あの言葉にはどんな思いが込められているのでしょうか。

メディアに出ることは、親にとってはうれしいことですし、元気な姿も伝えられる…それって恩返しなのかなと思ったんです。電話も頻繁にして、いろいろ報告したりもするんですけどね。今回はホラーの『呪怨』でしたけど(笑)。そういう意味で、親も知っている人気シリーズに出られることはとても幸せなことですね。

――ご実家は秋田でしたね。電話ではどんな話を?

やっぱり見てるみたいですね。声の出し方とかいろいろダメ出しされることもあるので、「あぁ、すみません…」みたいな気持ちにも(笑)。グサッと来ますけど、それが本音だから、そうだよねと納得してしまいます。家族みんないろんな意見を言ってくれて、いいことも悪いことも思いっきり(笑)。

――自分の仕事が「恩返し」になっているというのは、いつごろから実感しはじめたことですか。

いつぐらいでしょう…ここ2、3年だと思います。仕事に対する取り組み方とかも、本当に変わったと思います。若い頃は責任感も感じないままやってたんじゃないかなと今になって考えたりして。分からないまま忙しくて、いろんな現場に行って。今どこにいるんだろう? って場所さえ分からないこともありました。

でも、些細なことも自分で知っておかないといけないですし、知ろうとしなきゃいけないなと思うようになってきて、自然と「恩返し」というのも感じはじめた気がします。親に対しては感謝というか、すごいなって。仕事をすることは本当に大変なことですし、良いことばかりじゃありません。それなのに、親は私たち子ども3人を育ててくれて。信じられないです。

――実家に帰ると、当たり前のことがより一層ありがたく感じますよね。

本当そうですよね! 家のことを何から何までやって、子どもを育てて働いて。私にそういうことができるんだろうかと不安になります(笑)。

――ブログにはお母さんとの旅行のことなどが書かれていましたが、そういう感謝の気持ちでもあるんですね。

(母は)旅行に自分から行けないタイプなんですよね。海外にも行ったことがないみたいで。きっと、私たちを育てるためにそんなに余裕もなかったからなんでしょうけど、最近はようやく落ち着いて。私も親を旅行に連れていけるぐらいまで仕事もさせていただくようになって。

――全部、佐々木さんが出してるんですか?

まぁ(笑)。親孝行になればと思って(笑)。

――すばらしいですね。

でも、今まで育ててもらったことを考えると。休みが合うときは東京に来てもらったりして、いろんなところに行ったりしています。

――会見の言葉とブログでの親との距離感。そこの繋がりが見えた気がします。

繋がりましたか。ホラーの話から親への恩返し(笑)。

――でも、『呪怨』は親子の物語でもありますから。

確かにそうですね(笑)。

(C)2014『呪怨 -終わりの始まり-』製作委員会