アフリカのビートを刻む部活
時間貸しを行う「RENTAL SPACE」のひとつ「STUDIO」では、「パフォーマンス部」のワークショップが行われていた。部長はNPO法人の「一期JAM(イチゴジャム)」。中に入ってみると、大勢の人が両脚の間に太鼓を挟んで円になっている。
西アフリカの「ジャンベ」という太鼓だそうで、ここで行われているのはそのレッスンのようだ。部屋の中にはリラックスしたムードが流れていた。講師の方がリズムよく太鼓をたたくと、参加者から感嘆の声が挙がる。
初対面のはずの参加者が、ワークショップが進むにつれ徐々に打ち解けていく様子も見られた。スーツ姿の男性も多かったが、みな同じように無邪気な表情をしていたのが印象的な部活だった。
もう一度"部活仲間"を
「BUSHITSU」の使い方は自由で、「部活」のあり方も部員の自由である。「BUKATSUDO」では、気心の知れた仲間同士の居場所としての部活もある。
「ヨコハマランドスケープ部」は、風景や庭園など外の空間をデザインする「ランドスケープデザイン」を仕事としているデザイナーが集まり、知識の共有や交流を行っている部活だ。
机の上には、デザイン関連の書籍が並ぶ一方で、調理ができる「RENTAL SPACE」の「KITCHEN」でふるまわれた料理やビールも置かれている。話題は尽きることがなく、部員の方いわく「ひっきりなしに話題が出てきて、用意していたネタが話せないほど」だそうだ。
2014年6月から独立したというランドスケープデザイナーの桝井淳介さんは、「ランドスケープデザインは、まだまだ小さい業界です。だからこそ、ランドスケープデザイナーたちは情報交換をして、協力する必要がある。いま集まっているメンバーとは、別の機会でもよく会いますね」と語った。
ほかにもこの日は、「アウトドアライフスタイル部」や「カメラ女子部」、「RENTAL SPACE」の「ATELIER」でワークショップを行っていた「サスティナ部」など、さまざまな部が活動していた。
もちろん、筆者が回った「BUSHITSU」は全体のほんの一部。「BUKATSUDO」には15以上の「BUSHITSU」が存在し、10月のグランドオープン時、その中にどんな「部活」が入居するかは未知数だ。
「大人の部活」とは、"仕事"ではなく、"プライベート"でもない、大人のための第3の活動なのだと感じた。中学・高校生時代の"部活仲間"のように、好きなものについて思いっきり語り合い、一緒に好きなことができる、そんな仲間を、「BUKATSUDO」では作ることができるかもしれない。
あなたの生活に、「部活」は足りていますか?