RAID 0の高速性をThunderboltで
My Passport ProはMacにターゲットした外部ストレージであり、OS X標準のファイルシステム「HFS+」(ジャーナリング有効)でフォーマットした状態で出荷される。だから開梱して、My Passport ProのThunderbolt端子をMacに挿すだけで、ただちにTime Machineのバックアップ先に使える外部ボリュームとして認識される。今回は4TBモデルのMy Passport Proを試用したが、2TBモデルも容量と高さ/重さ、転送速度の若干の差(実測値は2TBモデルが233MB/s、4TBモデルが230MB/s)を除けば、スペックにおける大きな相違点はない。
動作中は無音とまではいかないが、静粛性は高い。耳を近づければフワーッという回転音がわずかに聞こえるものの、耳障りではない。Thunderbolt端子の収納部分近くにも放熱用とおぼしき小型ファンが見えるものの、3分ほどファイルコピーを続けても回転することはなかった。
実際の転送速度だが、MacBook Air 11インチ(Mid 2013)で定番ディスクベンチマークソフト「Blackmagic Disk Speed Test」を利用したところ、RAID 0構成で読み込みは205.1MB/s、書き込みは196MB/sという結果になった。MacBook Airの内蔵ディスク(SSD、実測値で読み込みは681MB/s、書き込みは295MB/s)ほどではないにせよ、USBなど他のインタフェースと比較して、速度面のアドバンテージは明らかだ。
ところで、My Passport Proは付属の「WD Drive Utilities」を利用すると、S.M.A.R.T.チェックやRAID構成の変更を簡単に処理できる。デフォルトのストライピング(RAID 0)からミラーリング(RAID 1)への変更も、あるいはその反対も、ラジオボタンをクリックする程度だ。RAID 1に変更すると、読み込みは102MB/s、書き込みは98MB/sに低下したが(Blackmagic Disk Speed Testで測定)、ディスク障害発生時の損失を最小限に抑えることができる。
付属の「WD Drive Utilities」には、S.M.A.R.T.チェックや不良セクタの検出といった管理機能が用意されている |
RAID 0/1の変更には、WD Drive Utilitiesを利用できる。ただし、ディスクの全内容が消去されるので注意しよう |
4TBという大容量をコンパクトな本体で実現し、そのうえThunderboltならではの高速性、ケーブル一体型の可搬性、RAID 0/1を選択できる柔軟性を備えた「My Passport Pro」。購入直後からTime Machine用に使えることもあり、Macにベストフィットの外部ストレージと言えそうだ。