難関はスケーリング - 250%表示の壁

一方で、ソフトウェア上では思わぬ苦労にも遭遇した。dynabook T954では、Windows 8.1利用時のスケーリングが標準で250%に設定される。

これは4Kの高解像度にあわせたもので、100%の状態ではアイコンが小さすぎて使い物にならない表示となってしまうためだ。しかし数多くのアプリケーションソフトウェアが、この環境に追随できる形で開発されていなかった。

例えば、フルHDのディスプレイでは、OS側の仕様で15.6型液晶では自動的に125%で表示される。ポップアップメニューでさえこの規定に準拠しているが、仮に100%で表示しても完全に見えなくなることはないだろう。

だが、dynabook T954に搭載している4Kディスプレイの場合、100%でポップアップメニューが表示されると、まったく読めないという状況になってしまう。もともと250%もの拡大表示を前提に開発されていなかった、旧来からのデスクトップアプリでこうした問題が数多く発生したという。

これを解決するために、東芝ではアプリケーションを開発するソフトウェアメーカーに協力を要請し、ひとつひとつ改善してもらった。こうした取り組みも、4Kの領域にいち早く参入したメーカーならではの作業のひとつだ。市場を開拓していくメーカーにとって、避けては通れない道だともいえる。

GUIスケーリング標準とドット等倍表示時で「ごみ箱」を比較。等倍表示では細かすぎて、単純な操作すら難しい