プロ野球の交流戦も残りあとわずか。12球団は日々、死力を尽くして熱戦を繰り広げているが、その交流戦が開幕する直前にとあるポスターが話題になったのをご存じだろうか。それは、千葉ロッテマリーンズによる「挑発ポスター」。対戦する球団のチーム名やマスコットを風刺した内容のポスターは、インターネット上で大きな反響を呼んだ。
同シリーズのポスターは、掲出しない年もあったものの、実は「デビュー」から今年で10年目を迎える。そこで、千葉ロッテマリーンズの広報・梶原紀章さんに、このユニークなポスターのこれまでの歴史についてうかがってみた。
楽天に話題を独り占めさせないことがきっかけ
挑発ポスターの掲出が始まったのは、セ・リーグとパ・リーグの交流戦元年である2005年だ。今でこそ、同シリーズのポスターは「交流戦シーズンの名物」としてプロ野球ファンに認知されるようになっているが、開始当初は春先のレギュラーシーズン開幕戦に掲出をしていたという。
「2005年は、いわゆる『プロ野球再編問題』の末に誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスと開幕戦を行いました。注目を集めた球団を相手にするわけですから、ポスターを作製するにあたり、『マリーンズにも注目を少しでも引くことができれば』との思いがありましたが、やはり反応が怖かった部分もありました」と梶原広報は振り返る。
交流戦と日本シリーズも作製
初の試みとなる「挑発ポスター」の好評を受け、その年は交流戦と日本シリーズでもポスターを作製した。ただ、「当時の交流戦挑発ポスターは、各球団相手にというわけではなく、セ・リーグ全体相手にという趣旨のものでした。内容的にも抑え気味だった気がします」。その言葉通り、ロッテ製品のPRも織り交ぜるなど、現在よりもマイルドな仕上がりとなっている感じがする。
2007年と2008年にも、レギュラーシーズン開幕戦前にポスターを掲出している。「今は『挑発ポスター』と言えば交流戦というイメージがあるでしょうが、当時はむしろシーズン開幕戦に照準を合わせていました。このころの文面はだいぶ大胆になっていたような気がします」。
また、2007年は初めてクライマックスシリーズの対戦相手も"挑発"。こちらも当時、話題となった。
ただ、挑発ポスター開始より3年。球団関係者の中には、ポスターの斬新さがやや薄れてきているように感じる人も出始めた。そこで、2008年にはある"秘策"を打ち出す。