スマートフォンやタブレットだけでなく、プロジェクターなどのホームシアター製品にもMHL対応製品が拡大。HDMIとUSBという2つの端子を用意することなく、データ伝送と映像伝送の2つの機能をカバーできるのがMHLの強みだ。

ホームシアター製品にもMHLが広がっている

テレビに接続するスティック型の製品もMHL対応

さらに車載機器への搭載も始まっており、アルパインやパイオニア、ソニー、ケンウッド、クラリオンといったメーカーが賛同している。

車載機器にMHLを搭載し、スマートフォンをカーナビなどから操作できる

これはケンウッドのカーナビ「MDV-Z701」

最新のMHL 3.0規格は2013年8月20日に策定された。新たに4K(2160p30)をサポートし、コンテンツ保護のHDCP 2.2に対応した。電力供給にも対応。10Wまでの電力を供給できるため、タブレットも充電しながら利用できるようになる。MHL 3.0対応ケーブルであれば、従来のように充電用のケーブルが不要になり、対応テレビから充電しながらスマートフォンを使うことが可能になった。

MHL 3.0の特徴

MHL 3.0対応製品

データ転送が高速化されたほか、Dolby TrueHD、DTS-HDといったオーディオにも対応。タッチパネルのデータも転送できるようになったので、例えばスマートフォンの画面を車載機器に表示し、車載機の画面をタッチしてスマートフォンを操作する、といったことも可能になった。

MHL 3.0を採用しているのは、スマートフォンやタブレットがソニーモバイルコミニュケーションズのXperia Z2/Z2 Tablet、テレビがソニーのBRAVIA、サムスンのS9などで、ケーブルもMHL3.0対応ケーブルが必要になるが、これらを組み合わせればXperia Z2で撮影した4K動画を非圧縮でそのまま4Kテレビに表示するといった使い方が可能になる。

MHLコンソーシアムでは、今後も仕様の拡張を続け、市場のニーズに応じた製品を投入していく考えだ。

ソニーのBRAVIAの背面。HDMI端子の2つがMHLに対応

東芝のREGZA。これはフルHDテレビだが、スマートフォンを接続して低遅延でゲームを楽しめる

Bluetoothコントローラーと組み合わせれば、スマートフォンゲームが快適に楽しめる

MHLの検査機関であるテクトロニクスのオシロスコープ。現時点ではMHL 3.0の物理層の検査ができるのは同社だけだそうだ