下手でもRAKUGAKIって楽しい!

ハイレベルな落書き

さて、料理やドリンクを堪能したあとは、思うままに「RAKUGAKI」を楽しもう。店内では、茶色い壁や白い壁、ガラス窓、机や床にいたるまで、全てのスペースがキャンバスになる。それぞれの材質に合ったペンが用意されており、材質とペンの相性を記した表も各テーブルに用意するという。

「壁に落書きしたいんですけど……」とスタッフにたずねると、「こちらがおすすめです」と油性ペンを手渡してもらった。ペンを握ってドキドキしながら壁を見ると、なんだか他の落書きが妙にハイレベルなものに見えてくる。

恥ずかしながら筆者は、絵が下手である。ド下手である。「自分の落書きで壁が、いや店が台無しになったらどうしよう……」そんな不安を抱えながら、おそるおそる白い壁に赤いペンを向けてみた。

不安とともに第一筆

描き足していく

恐ろしく下手な花が描けた

ひとまずできあがった「RAKUGAKI」は、他と比べて下手なことには違いなかったが、それでも描き終えた時には不思議な開放感があった。描いてしまったものはしょうがないからと、ペンを持ち替えて海を描き足す。絵はますます意味不明なものとなっていくが、描いているこちらはどんどん楽しくなってくる。完成した絵を見てみると、なんだか他の作品たちと「RAKUGAKI」としてなじんでいるように見えた。描くことを楽しもうという心だけが大切なのだ。

調子に乗って海を描く

最後の一筆は無意味に曲げてみた

なじんでいる気がする

そのうちに下手な絵を描くことが楽しくなってきて、すでに描かれている「RAKUGAKI」のそばに、自分なりに絵を足していった。かわいらしいキリンの絵のそばに、小さい魚の絵を描く。描き終えると、キリンと魚が愛し合っているように思えてくる。子どものころの空想の世界が、銀座のビルのカフェバーにあった。

ラブストーリーを感じる

RAKUGAKIって自由だ

同社のデザイン戦略グループに所属する菊池 寛(きくち ひろし)氏は、カラオケになぞらえて「RAKUGAKI」の魅力を説明した。

「カラオケで人の歌に合わせて歌うように、人の絵に描き足す。夢中で選曲するように、好きなものを選んで描く。音程を気にせず歌えるラップのように、文字を『RAKUGAKI』するという手段もある」。

店内には偉人の肖像画が飾られている。もちろん、織田信長にもモナリザにも「RAKUGAKI」は自由だ。また、即席カメラ「チェキ」で撮った自分の顔に「RAKUGAKI」できるサービスも実施。トイレに行くと、思わず笑ってしまうような言葉が壁に書いてあった。描き足す「RAKUGAKI」、文字の「RAKUGAKI」……。さまざまな形で自由に自分を表現できる場が、ここ「GINZA RAKUGAKI Cafe&Bar by Pentel」なのである。

モナリザ

織田信長(before)

織田信長(after)

男子トイレのRAKUGAKI

洗面台にも

壁にもRAKUGAKI

ARを使ったRAKUGAKIサービスも

また、同店ではAR(拡張現実)とスマートフォンアプリ「KakutoAR」を利用したサービスも行う。サッカー選手がプリントされたコースターに好きな絵柄を描き込めば、自分だけのデザインのサッカー選手がスマートフォン上でゴールにシュートを決めるという仕掛けだ。なお、コースターは店内で受け取るほか、インターネットを通してダウンロードすることもできる。

ほかにも、フェイスペインティングイベントや、毎日数回の「フラッシュモブ」なども実施する予定だという。

コースター

KakutoAR

所在地は東京都中央区銀座5-6-5 NOCO7F、12:00~17:00がカフェ営業(ラストオーダー16:30)、18:00~23:30(ラストオーダー23:00)がバー営業となる。総席数は54席で、期間中無休。

「RAKUGAKI」を通して、心から自由な時間を楽しめる店「GINZA RAKUGAKI Cafe&Bar by Pentel」。ぜひ1度足を運び、表現することの喜びを思い出してみてはいかがだろうか。