パナソニックは5月27日、東京・有明のパナソニックセンター東京で、第1回目となる「Wonder Japan Forum」を開催した。パナソニックは、オリンピックのワールドワイド公式パートナー契約のTOP(The Olympic Partner)スポンサーであり、2020年の東京オリンピックおよびパラリンピックでも、同契約を結んでいる。

パナソニックの遠山敬史常務

パナソニックの東京オリンピック推進本部長・井戸正弘役員

今回のWonder Japan Forumは、東京オリンピックに向けた活動の一環としてパナソニックが取り組むものだ。基調講演として、国際オリンピック委員会(IOC)のEvan Hunt氏と、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の布村幸彦副事務総長が「オリンピックスポンサーシップ/東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の活動」と題して講演。また、パネルディスカッションでは、観光庁の篠原康弘審議官やアスリートソサエティ代表理事の為末大氏、電通 スポーツ局次長 2020東京オリンピック・パラリンピック室長の伊藤一氏がパネリストとして参加。モデレータは、ボストンコンサルティンググループ日本代表の御立尚資氏が務め、「東京オリンピック・パラリンピックに向けて変革する日本の姿と課題」について議論した。

パナソニックの遠山敬史常務は「Wonder Japan Forumは、ワクワクする日本の将来の姿を考えるものである。そして、2020年の東京オリンピックおよびパラリンピックに向けた活動のひとつである」と前置きした上で「Wonder Japan Forumを開催している有明は、東京オリンピックのほぼ中心に位置する場所でもあり、今後、様々な情報をここから発信していきたい」と、コメントした。

また、パナソニックの東京オリンピック推進本部長・井戸正弘役員は「パナソニックは今回、オリンピック推進本部を初めて設置した。暑さ対策などの都市環境整備、電気自転車の普及や渋滞問題の解決といった交通管制、期間中の大地震対策をはじめとした防災・災害時対策、キャッシュレス対応や自動翻訳による言語対応などの観光立国、高齢化などに対応したバリアフリーの促進、新国立競技場を含む神宮外苑を日本技術のショーケースとする最先端の五輪関連施設の実現に取り組む」と、意気込みを語った。その上で「一過性でなく、後世に残るレガシーの形成と、五輪を契機に地方への広がりに取り組むことで、オリンピックの20年後のくらしの形成を目指す。スマートコミュニティ、スマートセキュリティ、スマートコミュニケーション、スマートペイメント、スマートトランスポーテーションという5つのスマートを通じて、技術とソリューションを活用したパナソニックのショーケースとして、東京オリンピックを活用したい。2020年まであと6年しかないという気持ちで取り組みたい」と語った。

国際オリンピック委員会のEvan Hunt氏

基調講演に登壇した国際オリンピック委員会(IOC)のEvan Hunt氏は「オリンピックは、1896年に制定されたオリンピック憲章を土台として、オリンピックプラットフォームが形成されている。単なるスポーツの祭典ではなく、スポーツと文化、教育を組み合わせることで、社会的価値を持ったものとなる。そして、私たちの心拍数をちょっとあげてくれるイベントである」と説明。さらに、「参加することと、勝つことが、同等に重要であるというのがオリンピック。本来ならば価値観が異なるものだが、これがオリンピックならではの価値である。結束、平和、グローバルコミュニティの実現、そして、多様性と愛国精神、プライドが重視されるイベントであるからだ」などとした。

また、「オリンピックは、204の国と地域が参加し、世界的なマーケティング活動も行われている。オリンピックを表す5つの輪は、世界で最も認知度が高いブランドである。日本では96%の人が五つの輪を認知している。これは残念ながら1ポイント差でトップではないが、2020年までには認知度を100%にしてもらいたい」などと述べ、「日本では71%がオリンピックファンだと回答しており、幅広く、バランスを持ったファン層を持っている。また、60%以上の人が、オリンビックパートナーの製品を購入するという調査結果がある」と、そのブランド価値の大きさについて説明した。

Hunt氏は「オリンピックを表す5つの輪は、世界で最も認知度が高いブランド」と語る

パナソニックは、オリンピックスポンサーとして最高位のTOPスポンサーの契約であり、オリンピック大会をはじめとする様々な活動を、技術面や資金面から支援することになる。

1988年のカルガリー冬季オリンピックから、スポンサー契約を結んでおり、2018年の韓国・平昌(ピョンチャン)、2020年の東京、2022年の冬季オリンピック、2024年の夏季オリンピック(いずれも開催地未定)までは、テレビ、放送用・プロ用を含む音響・映像機器、AV記録メディア、カーナビおよび関連カーエンターテインメント機器、AVセキュリティ関連機器、白物家電、電動自転車を対象カテゴリーとして、グローバルのマーケティング権利、IOCおよびオリンピック大会組織委員会への納入に関する第一交渉権を獲得する。