Plextorといえば、以前は信頼性の高い光学ドライブで有名であったが、最近は高性能なSSDのブランドとして高い人気を誇る。そのPlextorブランドの最新2.5インチSSDが「M6S」だ。さっそくその性能を検証していきたい。
旧モデルに比べて消費電力が最大50%低減
M6Sは、2012年7月に登場した「M5S」の後継となるメインストリーム向け製品であり、コストパフォーマンスが高いことが魅力だ。M6Sでは、コントローラにデュアルコアの「Marvell SS9188」、NANDフラッシュに東芝製の19nm Toggle NANDフラッシュを採用している。
PlextorブランドのSSDは、自社でファームウェアをチューニングしていることも特徴だ。長期にわたって使い続けても、性能の低下を抑える「True Speed Technology」を搭載している。また、消費電力を2mWに抑えるDEVSLPモードもサポートしており、旧モデルのM5Sに比べて、消費電力は30~50%も削減されている点にも注目だ。もちろん性能も向上しており、例えば128GBモデルの場合、シーケンシャル書き込み速度がM5Sの約1.5倍に向上したという。M6Sの容量ラインナップは128GB / 256GB / 512GBの3モデルだが、今回は256GBモデルを試用した。
テスト環境は以下に示した通りだ。
■テスト環境
CPU : Core i7-3770K(3.50GHz)
マザーボード : GIGABYTE GA-Z77X-UD3H(Intel Z77 Express)
メモリ : DDR3-1600 4GB×2
グラフィックスカード : ELSA GLADIAC GTS 250
HDD : Western Digital WD10EADS(1TB)
OS : Windows 8.1 Pro 64bit
SATA3.0(6Gbps)対応SSDとしてトップクラスの性能
まずは、定番の「CrystalDiskMark 3.0.3b」の結果から見てみよう。1000MB×5のランダムデータでの結果は、シーケンシャルリードが516.3MB/s、シーケンシャルライトが440.5MB/sとなった。SATA 3.0(6Gbps)対応のSSDとしては、トップクラスのリード速度だ。特にシーケンシャルリードに関しては、インタフェースのほぼ限界に近い速度である。ライト速度に関しても、256MBモデルとしてはやはりトップクラス。512KBランダムアクセスも、リードが384.2MB/s、ライトが428.3MB/sとこちらも優秀だった。
次に、データとしてすべて「0」を書き込む「0Fill」で計測したところ、シーケンシャルリードは511.4MB/s、シーケンシャルライトは438.9MB/sとなり、先ほどのランダムデータの場合とほとんど変わらなかった。SSDの中にはデータを圧縮記録する製品もあるが、その場合、圧縮しやすい0Fillでのパフォーマンスは高いが、ランダムデータではパフォーマンスが低下する。ランダムでも0Fillでも結果があまり変わらないということは、記録時にデータの圧縮を行っておらず、どのようなデータでも安定した性能が得られるということである。もちろん、実使用ではランダムに近いデータを記録することが多いため、こうした仕様のほうが望ましい。