ソニーは5月22日、2014年度(2014年4月1日~2015年3月31日)の経営方針説明会を開催。代表執行役兼取締役CEOの平井一夫社長が登壇し、2013年度(2013年4月1日~2014年3月31日)に1,283億円の最終損失を計上したことや、2014年度の経営方針について説明を行った。
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「何年かかって構造改革をやっているのか」との声には今年度中に応える
平井社長は冒頭、「(2012年の就任当初から構造改革を謳いながら)何年かかって構造改革をやっているのか」という声が挙がっていることについて、真摯に受け止めるとコメント。「構造改革のスピードが市場の変化より遅かった」と市場の変化スピードに体質が付いていけなかったことに反省の弁を述べた。
その上で平井社長は、「構造改革を2014年度中にやり切る」と強調。2014年度中に膿を出し切り、2015年度以降の成長につなげる意志を示した。その施策の一環が、近年赤字事業に陥っていたPC(VAIO)事業の日本産業パートナーズへの事業譲渡であり、7月1日を予定しているテレビ事業の分社・子会社化だという。
就任以来、テレビ事業の黒字化必達を掲げていた平井社長だが、2013年度に黒字化を果たせなかったことについては、「市場などの外部環境を踏まえてなお、それに対応できる体質になっていなかった」と、反省の弁を語った。ただ、オペレーティングコストの削減や、4Kテレビなどの高付加価値商品投入による収益性を追うという方針が一定の成果をみせ、テレビ事業の赤字を大幅に圧縮できたことに触れ、「分社化によって黒字化は達成できると見込んでいる」と見通しを示した。なお、新会社名はソニービジュアルプロダクツ株式会社となる。
2年合計3,000億円以上の事業構造改革で体質を変える
本社費が肥大化している、販売費が削減しきれなかったという課題については、PC事業の譲渡により本社間接費の30%を、テレビ事業分社化により販売会社の費用20%をそれぞれ削減できる見込みとなっている。このほかにも2014年度は、2013年度に引き続き大幅な事業構造改革費用を計上。2年合計で3,000億円以上の費用計上を見込む事業構造改革により、2015年度以降に年間1,000億円以上のコスト削減効果が期待でき、2015年度には営業利益4,000億円を計上する目算となっている。
続いて平井社長は、2014年度の注力事業についての施策を説明。映画、音楽などのエンタテインメント事業、金融事業について触れ、「エンタテインメント事業や金融事業が好調な一方で、本業のエレクトロニクス事業は不振という物言いをされることが多いが、私はソニーにとってどの事業も本業だと思っている」と、両事業の重要性に理解を求めた。