――改めてストーリー全体を見渡すと、脚本の坂元裕二さんも語っているように、ドラマのタイトルにもある「モザイク」というものが実は「日本」そのものを象徴しているのではないかという印象を受けました。

モザイクというものが物事のグレーな部分を隠すものであると考えた時、自分自身の中にもモザイクをかけてる部分ってたくさんあるんだろうなって思ったんです。心の中に明確にしているものと、してないものがあって、同じグレーにしても、白っぽいグレーもあれば黒っぽいグレーもある。かといってモザイクが全部なくなって丸裸になることも、すごく怖いと思います。

――詳しくは言えませんが、ドラマではクライマックスからラストにかけ、予測出来ない怒涛の展開が押し寄せる中、最後に理市がする"選択"がとても印象的でした。演じていてどう思われましたか。

それまでのことがすべて報われてない感じがしますよね(笑)。ハッピーエンドっぽいんだけど、全然そうじゃないというか。でも、見る人にはいろいろ考えてもらいたいし、「これで終わりなの!?」という終わり方のほうが、僕は好きです。

――最後に役者としての今後の目標を含め、25歳の一人の男性としての率直な思い、欲しいモノ、叶えたい欲望などについて、ぜひ"モザイク"をかけずに(笑)お聞かせ下さい。

難しいですね……時々「自分は何が欲しいんだろう」って考えたりしますけど、今大切だなって思うのは、良いことも悪いことも前向きにとらえる気持ち、ですね。

――と、いいますと?

けっこう僕、飽き症で、続かないことが多いんですけど、役者という仕事は楽しく続けられてます。もちろんお金も欲しいし、物欲もあるけど、じゃあ、金持ちになって欲しいもの全部手に入れても、それはそれで違うってことはなんとなく想像出来るじゃないですか。それに、役者としてのスキルがあったとしても、その先に何があるのかなんて分からない。だったら「歳取った時に振り返ったら面白かったな」って思えたら、それでいいかなって。

――それが今の永山さんのリアルな気持ち、ということでしょうか。

70年代がどうとか、80年代がどうとか言うじゃないですか。2000年代とか2010年代は、僕はまだ若いからそんなに振り返ることは出来ないですけど、いい時代になればいいなって思う。僕は"ゆとり世代"なんですけど、結局それ(ゆとり教育)もオトナの都合で廃止になったじゃないですか。なんか自分が「ダメだ」って言われているような感じがして、だったら同世代で何か出来ることがあったら、って思うんですよね。よく、オトナが「最近のガキが怖い」とか言いますけど、「あんたらオトナの方がよっぽど怖いんだよ!」と(笑)。僕たちの世代としてはこれから先、そんな固くなった“核”の部分にスルスルッと入って壊す、ということをしなきゃいけないのかなって思っています。

出演はほかに高橋一生、宮地真緒。連続ドラマW『モザイクジャパン』は5月18日(23:00~ 全5回)WOWOWプライムにてスタート。