吉澤氏は「結晶系シリコン太陽電池セルは結晶シリコン界面に欠陥が多く、電荷が消失するのに対して、HIT太陽太陽電池はアモルファスシリコン層が電荷の消失を抑制し、電荷ロスの防止に寄与。一般的な結晶系シリコン太陽電池が1度温度が上がると、0.5%出力が落ちるが、HIT太陽電池では、0.29%出力が落ちるだけに留まる。結果として出力が同じでも温度特性の違いで発電量に差が出る。244Wの244αと同等の年間推定発電量を得るためには一般的な結晶系シリコン太陽電池では262W相当の出力が必要であり、250Wの250αの場合には、269W相当の出力が必要となる」とした。

アモルファスシリコン層が電化の消失を抑え、電荷ロスを抑える

一方、屋外用マルチストリング型パワーコンディショナー 4.6kWタイプは、独自開発の高効率化技術により、屋外設置可能タイプでは業界トップクラスとなる電力変換効率96%を実現。朝夕や曇りの日などの低日射でも実使用上の動作時間が長い「低~中出力領域」でも効率的に発電する。

また、クラス最大となる全回路独立動作の最大電力追従(MPPT)回路を4回路搭載。回路ごとにモジュールの枚数を揃える必要がないことから、様々なモジュール構成に対応でき、屋根スペースを有効に活用できる。入力回路ごとの太陽電池モジュールの枚数が不揃いでも昇圧回路付付属箱は必要がないほか、太陽電池モジュール接続を分割して回路入力できることから、樹木の影などに対しても発電ロスを最小化できる。さらに、接続箱機能をタイミダイキャスト採用の本体筐体内に内蔵。直流電流をそのままパワーコンディショナーに接続し、IP65クラスの防水性を実現している。最大5台までの並列運転が可能で、5.9kWの製品との組み合わせで20通りの容量を実現。2セットの組み合わせでは49.9kWにも対応できる。

パナソニック エコソリューションズ社パワコンSBU パワコン商品管理グループ・石田健雄グループマネジャー

希望小売価格は、41万円(税別、工事費別)。今年度1万台の出荷を見込んでいる。

パナソニック エコソリューションズ社パワコンSBU パワコン商品管理グループ・石田健雄グループマネジャーは、「4分の1出力でも96%という高い効率を実現している。今回の製品投入により、マルチストリング型での屋内用、屋外用の製品ラインアップを強化。さらに屋内用の集中型を含めて、顧客の様々なニーズに応えることができる」としている。

また、同社では今回の新製品発売に合わせて、モジュールを含むシステムに関して、同社の設置基準を満たせば、現在の機器瑕疵保証10年間を15年間に無償で延長するサービスも開始する。さらに、2014年9月30日までの期間限定で、新製品発売記念キャンペーンとして、抽選で5万円のキャッシュバックを行う。

豊富なラインナップを揃えるパワーコンディショナー

HIT太陽電池は、1990年から研究開発を開始。1997年から量産、販売を開始している。2014年には研究レベルで世界最高となるセル変換効率25.6%を達成。実用サイズで初めて25%の壁を突破した。累計生産数で10億セルに達しているという。

多様な環境で設置しやすいようになっている