ワット性能に優れるMaxwellを採用、SSD+HDDのツインドライブも可
GeForce GTX 850Mは、NVIDIAがこの3月半ばに発表したばかりの最新GPUで、従来の"Kepler"アーキテクチャに代わり"Maxwell"アーキテクチャを採用し、消費電力あたりの性能を一層強化している。この「m-Book K」シリーズは特にゲーム用途を強調した製品ではなく、あくまで一般ユーザー向けのPCとなっているが、従来製品のGeForce GT 750Mでもそこそこゲームを楽しむことは可能だったので、さらに性能が強化されたことで、ゲームの快適性はさらに上がっていると期待できる。のちほどベンチマークテストで実際の性能を確かめてみよう。
底面のカバーは簡単に取り外すことができ、メモリーの増設などはユーザー自身でも行うことができる。メモリーは標準で4GB×2枚の8GBを搭載しているので、一般的な使い方では、不足を感じることはほとんどないと考えられるが、8GB×2枚に交換することで最大16GBまで増設は可能。DDR3Lメモリを採用しているため、DDR3メモリのマシンに比べ消費電力も削減されている。
また、mSATAスロットに空きがあるのがわかる。ここにはSSD+HDDモデルの「MB-K620X-SH」(税別119,800円)の場合、128GBのSSDモジュールが装着されている。見ての通り2.5インチHDDのベイにもアクセス可能となっているので、あくまでメーカー保証外の自己責任にはなるが、知識のあるユーザーはこれらのストレージを自分で増設・交換することも可能だろう。そのほか、無線LANは標準でIEEE802.11b/g/n対応となっているが、BTOオプションでは最新のIEEE802.11acにも対応したモジュールに変更可能だ。
プリインストールOSは基本構成ではWindows 8.1となっているが、Windows 7モデルも用意されている。さらに、Windows 7モデルの中にはWindows 8.1 Proのダウングレード権を利用したWindows 7 Professionalプリインストールモデルも用意されており、この場合Windows 7 ProfessionalとWindows 8.1 Proの両方のリカバリーメディアが同梱される。とりあえず使い慣れたWindows 7を使いたいが、将来的にはよりサポート期間の長いWindows 8.1への移行を考えている、というユーザーには合理的な選択肢といえるだろう。また、Windows XPマシンなど旧PCからの買い換えユーザー向けに、BTOで「ファイナルパソコンデータ引っ越し11plus」も用意されている。
10万円ノートでフルHDのゲームが可能に
それでは、実際の性能をベンチマークテストで確かめてみよう。まずは従来のWindowsエクスペリエンス インデックスに相当するWindowsシステム評価ツール(WinSATコマンド)だが、CPUとメモリの値はCore i7で期待される8以上のスコアとなったが、グラフィックスは5.9、5.7といまひとつふるわなかった。ただ、これはツールがGeForceの性能を正しく測定できていない可能性が高い。次の3DMarkの結果を確認してみよう。
Windowsシステム評価ツール(WinSAT) | |
---|---|
CPU | 8.1 |
Memory | 8.1 |
Graphics | 5.9 |
Gaming | 5.7 |
Disk | 5.9 |
3DMark Vantage Performanceプリセット |
3Dmarks | P15669 |
---|---|---|
GPU SCORE | 14127 | |
CPU SCORE | 23296 | |
3DMark Vantage GPU SCORE |
1280×720 | 19225 |
1920×1080 | 9461 | |
3DMark 11 Performanceプリセット |
3DMark Score | P4610 |
Graphics Score | 4424 | |
Physics Score | 7516 | |
Combined Score | 3650 | |
3DMark 11 Extremeプリセット |
3DMark Score | X1382 |
Graphics Score | 1246 | |
Physics Score | 7506 | |
Combined Score | 1475 |
こちらは期待通りといえるだろう。GPU関連のスコアは、テストにもよるが従来のGeForce GT 750M搭載製品に比べると、3割から6割程度も高い値となっており、新しいGPUのパワーが実感できる。
BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10) |
1280×720 | 130.3fps |
---|---|---|
1920×1080 | 90.3fps | |
BIOHAZARD 6 ベンチマーク | 1280×720 | 8102 |
1920×1080 | 4687 | |
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11) |
1280×720 | 64.1fps |
1920×1080 | 44.5fps | |
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
1280×720 【高品質(ノートPC)】 |
9044 |
1920×1080 【高品質(ノートPC)】 |
4810 | |
1280×720 【最高品質】 |
7071 | |
1920×1080 【最高品質】 |
3660 | |
モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク 大討伐 |
1280×720 | 11303 |
1920×1080 | 5646 |
CINEBENCH R10 64bit | Single CPU | 6588 (2分14秒) |
---|---|---|
Multiple CPU | 24591 (0分35秒) |
|
CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 54.84fps |
CPU | 6.89pts |
また、ゲームベンチマークを見ても、フルHDの解像度で十分プレイが可能な水準の性能に達していることが確認できる。これまで「一応フルHDでも動作はするが、画面内のキャラクターがちょっと増えるとカクカクして遊びにくい」などと、フルHDでのプレイをあきらめ、1280×720程度に落としていたようなタイトルでも、本機であればフルHDの描画を楽しめる可能性は高いだろう。
全体的な印象としては、ゲーマー向け製品のような「ゴツい」感じはなく、シンプルに仕上げられたノートPCだが、中身はこの通り、エントリーゲーマーのみならず中程度の負荷のゲームにも対応できる性能を備えている。クアッドコア版のCore i7を搭載しているので、動画エンコードなどCPUパワーを食う用途でももちろん問題ない。シーンを選ばず、長く使い続けられる一台といえるだろう。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
型番 | MB-K620S |
ディスプレイ | 15.6型フルHDノングレア液晶(1920×1080) |
CPU | インテル Core i7-4700MQ |
メモリ | 8GB PC3-12800 DDR3L SO-DIMM |
HDD | 500GB SerialATAII |
チップセット | モバイル インテル HM86 Express |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 850M |
OS | Windows 8.1 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN |
インタフェース | USB 3.0×3(左側面×2、右側面×1)、USB 2.0×1(右側面×1) |
サイズ | W374×D252×H31.4mm(折り畳み時) |
重量 | 約2.5kg |
バッテリー駆動時間 | 約6時間 |
価格 | 99,800円(税別) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2014/4/16(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。