どうすればVoLTEを使える?
そのVoLTEだが、NTTドコモとau/KDDIの2社は2014年内にもサービス開始する方針を明らかにしている。特にNTTドコモはサービスインの時期を「夏」と具体的に示しており、通話の完全定額が可能になる新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」も発表済だ。ソフトバンクは具体的なサービス開始時期を明らかにしていないが、通話とパケット料金をセットで定額にした「スマ放題」を提供予定で、こちらもVoLTEに備えた準備と見てよさそうだ。
LTE網のカバー率がVoLTE普及の大前提となるが、こちらはだいぶ準備が進んでいると考えてよさそうだ。たとえば、2014年3月時点におけるau/KDDIのLTE 800MHz帯実人口カバー率は99%と、2013年3月時点の96%に対し大きく改善されている。他2社の直近における実人口カバー率は公表されていないが、NTTドコモは2014年内に98%達成を目指すとしており、少なくとも都市部でのVoLTE受け入れ体制は整っていると考えられる。
なお、VoLTEはCSフォールバックを利用した従来の音声通話方式と比べると、電力消費量が2倍近く増えるとされる。より効率的に音声データを扱うためにも、高性能な次世代LTEチップセットが必要だ。つまり、ハードウェアレベルでの対応が必要になるため、VoLTEレディをうたう新モデルでなければVoLTEの利用は難しい。
それだけに、5月から始まったスマートフォン(Android)新モデルの発表に注目が集まる。KDDIは2014夏モデルでVoLTE対応は見送ったが、5月14日に発表会を予定しているNTTドコモについては、新料金プランが発表済なことからより可能性が高いといえそうだ。ソフトバンクは夏モデル発表会を開催しない予定だが、関係が深いヤフー傘下の新会社Y!mobileの設立が6月に予定されており、先立って5月に端末の発表会が開催される可能性がある。
一方、iPhoneは例年9月に新モデルが発表されているが、6月に開催される開発者会議「WWDC」で発表される可能性もある。さらに、iPhone 5/5s/5cにはVoLTE対応チップ(Qualcomm MDM9615M)が搭載されていることから、iOSのアップデートによりVoLTE対応が実現される余地も残されている。もっとも、前述した消費電力の問題があるうえに買い換え需要を抑制する原因となるため、いずれ発表される新iPhoneでサポートされると見たほうが妥当かもしれない。
(記事提供: AndroWire編集部)