研究領域について

どんなテーマがあるのか、少し考えてみました。

場所や環境を整える

本連載ではMacとiPadを対象にしていて、iPhoneなどのスマートフォンは含めません。しかしモバイルももはや日常的な風景になりました。まさにこの原稿も、羽田空港からシンガポールへ向かう飛行機の中で書いているように、MacもiPadも、自宅や職場、外出先、移動中と場所を問わず活用するようになりました。

使う場所が違えば、整える環境も変わってきます。自宅や職場のデスクは、ある程度固定的なスペースがあることから、「最も快適な環境」を整えることができるはずです。一方で、飛行機の中やカフェ、職場の会議室や学校の教室などの外出先では、電源とスマートな作業環境を構築がポイントになります。どんなカバンで持ち歩くのかを考える事も重要でしょう。

デスクにしても出先にしても、体への負担を減らすこともテーマです。

入力を極める

iPadにもSiriが搭載され、OS X Mavericksにも音声入力機能が搭載されるなど、「声」という入力方法は今後ますます広がっていくでしょう。しかし今現在、最も素早く文字を入力することができるツールは、依然としてキーボードです。タッチスクリーンでも画面に再現されたキーボードに慣れている真っ最中です。使いやすいキーボードは作業効率を大きく高めるはずです。何より、前述のリターンキーの心地よさも重要ですね。

同時に、どんな日本語入力ツールを使うか、どんなアプリでに入力するか、という点は、MacやiPadでの入力に非常に大きな影響を与えます。

Macの場合、ノートにもデスクトップにもトラックパッドが付属してきます。かつてマウスで操作していた画面の中のポインターを、平面のパッドで操作するようになり、複数の指でのジェスチャーも利用できるようになりました。このタッチパッドの指捌きは、見落としがちですが、快適操作には重要といえるでしょう。

iPadの場合は基本的に指での操作となりますが、タッチペンも様々な種類のものがリリースされています。鉛筆やボールペンが変われば、書き心地や書いた結果の文字も変わるように、タッチペンも自分に最適なものが見つかるはずです。ペン以外にも、ウェアラブルデバイスが普及しつつある昨今、全く新しいツールも登場してくることになるでしょう。こうしたものも真っ先に研究してみたいと思います。

iPadに任せる

個人的には、MacとiPadを両方使っている中で、iPadでできることを増やしていこうというテーマがあります。iPad mini Retinaディスプレイモデルは、現在持っているMacの1/6から1/7の重さしかなく、当然カバンのサイズも小さくすることができます。しかしiPadだけでの外出が不安だったり、ついMacを持ち出してしまうという経験はないでしょうか。どうすればiPadで済ませることができるのか、考えてみたいところです。

連携させる

MacとiPadの間でのデータ連携は重要な要素です。現在はクラウド環境が整っており、データをネットを介して双方から利用する事は難しくありません。しかし、「iPadに任せる」に関係しますが、データが連係できることと、編集が快適であることとは別の問題です。

創る

MacとiPadでは、iWork(Pages、Numbers、Keynote)、iLife(iPhoto、iMovie、GarageBand)という「創るアプリ」が無料で利用できます。その他にも、簡単に写真を加工できたり、クリエイティブに役立つアプリがたくさんあります。1つないし複数を組み合わせることで、短時間で効果的な制作物が作れるようになります。

いくつか現段階のテーマを挙げましたが、ぜひ読者の皆さんからの提案や、個別に解決したい問題もお待ちしています。Twitter、Facebook、Google+で「#EtsuMac50」で最新の記事を共有しますので、議論や感想をお寄せ下さいませ。

それでは、悦楽生活の扉を開いていきましょう。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を執筆している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura