2012年以降にBeats周辺の環境が大きく動く。まず、それまでヘッドフォンや関連ブランドの独占製造権を得ていたMonsterが契約更新を行わないことが発表され、2013年の提携終了を前にBeats独自ブランド製品への開発移行が行われた。そして業績面で苦戦が続くHTCは同年7月、手持ち株式の25%を1億5000万ドルでBeatsへと売却することを発表した。

後に25%弱にあたる手持ち株の大部分を2億6500万ドルで追加売却することも発表され、同社はほぼBeatsビジネスから抜けることとなった。代わりに同年末に参入してきたのが投資会社のCarlyle Groupで、Beats株式の50%弱を保有する大株主となった。

このほか、Beatsは2012年にはオンライン有料音楽配信サービスのMOGを買収している。MOGはやはり独立サービスとして買収後も運営をそのまま続けてきたが、2014年1月になりBeats自身が「Beats Music」提供を正式発表すると、ついにMOGはサービス終了が告知された。MOGは現在もサービスを継続しているが、今月中にも正式終了が見込まれている。

Beats Music

今回、Beats買収ということで、「Appleがプレミアムヘッドフォン事業に参入か」「Beatsブランドを購入したのか」といった感想が一部で出ていたものの、実際には2014年にスタートしたばかりの「Beats Music」を狙っての買収だったという説が濃厚になりつつある。