2015年1月に放送開始から40周年を迎える「世界名作劇場」枠が当時と同じ日曜夜に復活! 完全新作オープニング映像付きでCS放送局・キッズステーションにて放送される。スタートを飾るのは名作『母をたずねて三千里』とデジタルリマスター版テレビ初放送となる『ロミオの青い空』。

そして、「世界名作劇場」シリーズの人気キャラクターたちの豪華共演が実現した完全新作オープニングを手掛けるのは、日本アニメーションの佐藤好春氏。そこで今回は、アニメーターとして「世界名作劇場」シリーズを支えてきた佐藤氏に、「世界名作劇場」シリーズの思い出と新作オープニングの注目ポイントを語ってもらった。

佐藤好春氏が語る「世界名作劇場」シリーズ

――佐藤さんがアニメに関わるようになったきっかけを教えてください

■佐藤好春
日本アニメーションにて「赤毛のアン」を皮切りに数々の「世界名作劇場」シリーズに関わり、『愛少女ポリアンナ物語』『若草物語 ナンとジョー先生』『ロミオの青い空』ではキャラクターデザイン・作画監督を担当。『となりのトトロ』ほか、スタジオジブリ作品にも数多く参加している。1958年生まれ

佐藤好春氏「最初はやはり『アルプスの少女ハイジ』ですね。中学から高校になった頃にちょうどハイジを放送していて、そのときは母親と一緒に観ていたんですけど、もともと絵を描くのが好きだったので、漠然とこういうモノが描けたらいいなあと。ハイジの可愛らしい仕草や芝居、アルプスの草原を駆け巡る絵面が、ずっとアタマの中に残っていた感じですね」

――ハイジ以前はあまりアニメを観ていなかったのですか?

佐藤氏「子供のころ、『鉄腕アトム』や『鉄人28号』などは観ていましたが、それからちょっと離れていて……。学校で話題になったものをちょっと観るぐらい。記憶にあるのは、アニメじゃなくて『超人バロム・1』。中学生なのにバロムクロスごっことかやってましたから(笑)」

――その頃から絵を描くのは好きだったんですね

佐藤氏「図工の成績が、自分でいうのも変ですけど、良かったんですよ。中学のころは、先生が良いと、成績も上がったりするじゃないですか。中学の頃の先生が面白い人だったんですよね。ただ、マンガに興味があったわけでもなく、もちろん真似て描いたりはしましたけど、やっぱり絵を描くこと自体が好きだったんだと思います」

――そんな中で、アニメの業界に入ったきっかけは?

佐藤氏「ちょうど当時『アニメージュ』が創刊されて、いろいろな情報が入ってくるようになったんですよ。それで『アニメージュ』をみて、日本アニメーションに入った……ということになっているのですが、実はその前に東映動画の研修所、スタジオ・カーペンターという会社の前身になるんですけど、そこで大工原(章)さんと月岡(貞夫)さんが教えてくれるという募集が載っていて、それをみて応募したのが最初です。カーペンターは、そこの卒業生を受け入れるために出来た会社なんですよ」

――そこから日本アニメーションに移ったわけですね?

佐藤氏「当時の東映は、僕のやりたかった方向性とちょっと違っていたので、日本アニメーションに『募集してますか?』って電話して(笑)」

――やはり佐藤さんのやりたかったのは「世界名作劇場」の世界観だったのですか?

佐藤氏「その当時はあまりそこまで考えていたわけではなかったのですが、とりあえず仕事をやっていて楽しかった。本当に好きな仕事に就けてうれしかったです。ただ、当時からスケジュールがすごくて、ちゃんとついて行けるのかっていう不安はありました」