日本ヒューレット・パッカード(以下日本HP)は4月18日、同社のプライベートイベント「HP World Tour 2014東京」を都内のグランドハイアット東京で開催した。このイベントはHPが世界各地で開催しており、今年は世界13都市で実施される予定。日本での本イベントは初の取り組みとなる。
開催のあいさつを行った日本ヒューレット・パッカード 副社長執行役員 古森茂幹氏(写真左)。キーノートスピーチを行った日本ヒューレット・パッカード 社長執行役員のジム・メリット氏(。米本社のシニアバイスプレジデント エンタープライズグルーブ アンド マネージングディレクター アジアパシフィック アンド ジャパン担当でもある(写真右) |
キーノートスピーチでは、まず日本HPの副社長執行役員 古森茂幹氏が登壇。開会の言葉として日本HPが今年創業50周年を迎え、グローバルイベントを日本でも開催するということを説明した。
「日本HPとしての役割は、世界の事例とトレンドを日本の顧客に日本の言葉で届けることであり、HPが注視しているクラウド、モビリティ、ビッグデータ、セキュリティを中心に『New Style of IT』を紹介したい」と語った。
次に登壇したのがアジアパシフィックジャパンの総責任者であり、日本HPの社長でもあるジム・メリット氏だ。アジア統括の立場にあるので現在はシンガポールに住んでいると自己紹介をしたのち、HP全体のビジネス像を説明した。
HPの現状に関しては、2011年にメグ・ホイットマン氏がCEOとなり、いくつかの企業買収によって、時代よりも早く変化する状況を生み出したという。結果として先進的な企業へと変革し、2014年は成長拡大する時期に入り、株価もよい進捗を見せていると、良好な見方を示した。
「売上も株価も満足している」という発言をこの手のイベントで聞くとは思わなかったが、業績が順調であることを強調したかったのだろう |
アジアパシフィック&ジャパン市場も順調な回復を見せており、日本HPはHPアジアのスプリングボードにしたいという |
また、IT業界におけるメガトレンドとして、クラウド、セキュリティ、モビリティ、ビックデータの4つを挙げた。これらが「New style of IT」の波を引き起こしているとし、HPは今後も積極的に製品やサービス、ソリューションを投入していくという。
一例として、2013年に発表した「HP Moonshot SystemにHP ProLiant m700」を紹介。1ボードあたり4つのAPU(AMD Opteron X2150)を搭載し、それぞれが32GBのiSSDと8GBのメモリを持つハードウェアだ。従来、レスポンスがあまりよくなかったVDIから、HDI(Hosted Desktop Infrastructure)という物理占有型のリモートデスクトップソリューションが行えるという。HP Moonshot Systemは4.3U筐体に45枚のボードを搭載できるので、1シャーシで180ノードをカバーできる。加えて、2013年12月に7つの新技術を発表したことを紹介し、HP自身がテストベッドとして大規模に活用しているとアピールした。
キーノートスピーチの後は、スペシャルセッションが4つ、スポンサー企業によるランチセッションが3つ、さらに18の分科会が開催された。ここではスペスシャルセッションの中から、『数百万ドルを瞬時に盗む手口とは!?~サイバー犯罪者と戦うためのセキュリティ対策~』と、『IoT(モノのインターネット)、そしてウェアラブル~「パーソナルコンピューティング」の今後』を紹介しよう。