次はワールドシリーズのチャンピオンリングや選手のサインボールなどが展示されている「ヤンキース・ミュージアム」だ。
誰のサインボールがあるのかと一つ一つ見ていると、女性スタッフが声をかけてきた。「どこから来たの? 」「日本です」「じゃあ、こっちへいらっしゃい」などと会話を交わしながら後をついて行くと、「ほら、このボール」。指されたボールの名前を見ると「Hideki Matsui」と書いてあった。
「ゴジラ」の愛称でファンに親しまれた松井秀喜さん(2012年に現役引退)は、新スタジアムオープン元年の2009年、ワールドシリーズで日本人初のMVPを獲得するほどの活躍を見せてヤンキースファンを魅了した。女性スタッフが見せた笑顔に、松井さんの人気者ぶりがうかがえた。
ワールドシリーズのチャンピオンリング。「2009」は松井さんがMVPを獲得した年 |
昨シーズンに引退したマリアノ・リベラさん。クローザ―として活躍した |
現役選手だったときに飛行機事故で亡くなったサーマン・マンソンさんのロッカー。「15」も永久欠番だ |
その後、試合観戦中に記者が座るプレス・ボックスや、ヤンキースのオフィシャル・エアラインであるデルタ航空が提供する「デルタSKY360度スイート」などを見て、1時間あまりのツアーは終了した。
「売れているわよ」の一言に、思わず田中選手のグッズ購入
そして、「最後の楽しみ」としてヤンキースのオフィシャルショップでの買い物を体験してきた。入ってまずびっくりしたのは、今シーズン限りでの引退を表明しているデレク・ジーター選手と変わらないほど目立つ場所に、移籍間もない田中選手のグッズが置いてあったことだ。
「田中選手のグッズは売れているの? 」と店員に聞いてみたところ、「もちろんよ」とニコニコしながら答えてくれた。ちなみに、松井さんの移籍元年よりもよく売れているそうだ。日本人選手が確実に活躍すると思われるようになったのだろう。気分よく田中選手のグッズを購入した。
「ハードロック・カフェ」に飾ってあったヤンキースデザインのギター。ギブソンの名器「レスポール」のヴァージョンだ |
追加料金で食事付きツアーも申し込める。なお、ダグアウト(ベンチ)や選手が使うロッカーを見られる日もある |
歴史と伝統あるスタジアムを見学できて楽しめた上、日本人選手が活躍してきた事実を実感でき、さらには今後の期待もされていることも分かった大満足のツアーだった。もしニューヨークに来る機会があれば、ぜひ参加してほしいおすすめのツアーである。
取材協力: デルタ航空。2014年3月7日に取材