Xperia Aを手に入れて感じたのは、Androidスマートフォンの劇的な進化だった。その前に使っていたのは2011年6月に発売されたGALAXY S IIだったのだが、当時としてはAndroid最高の性能を誇っていたにも関わらず、レスポンス面でiPhoneに大きく溝を開けられていた。「サクサク動く」と聞いて購入したのだが、タッチに反応が遅れることも多かった。「これはちょっとメイン機にはならないな」と思ったことを覚えている。

しかし、2年間でAndroidスマートフォンの性能は大きく向上した。特に2013年頭に出たXperiaシリーズの名機「Xperia Z」の衝撃は大きく、デザイン・質感の面でようやくiPhoneに匹敵するモデルが出たと嬉しく思ったものだ。この驚きがあったからこそ、GALAXY S IIの次の機種として「Xperia A」を選んだといってもいい。

そうして手に入れた「Xperia A」は、デザインこそラウンドフォルムを採用して「Z」とは別路線になったものの、性能面では着実な進化を遂げていた。特にカメラ性能については、9カ月経った今でも最高峰であると断言できるものだ。

なんといっても撮影の設定を細かく変更できるのが良い。「美肌」「風景」「夜景&人物」といったシーンモードはもちろん、露出補正、ホワイトバランス、ISO感度、HDR、ストロボ、スイングパノラマなど、あらゆる機能が網羅されているのだ。もちろん、すべてオートでいい感じに撮ってくれるソニーならではの「プレミアムおかませオート」も搭載されている。もはやちょっとしたデジカメといってもいい。GALAXYシリーズなど他のスマートフォンもカメラ機能にはかなり力を入れているようだが、動画も含め、完成度という点ではXperiaシリーズがナンバーワンだと思う。

シーンモードが豊富

露出補正も可能

それもそのはず。ソニーは、デジカメ業界でも優秀な製品を送り出しているメーカーなのだ。カメラでは、レンズと撮像素子が画質の良さを決める要因になるが、ソニーはどちらも自社で製造しており、特に撮像素子はiPhoneにも供給しているトップメーカーである。そのソニーが自社のデジカメ部門を食う勢いでXperiaのカメラを作り上げているのだから、悪いはずがない。ウォークマン以降、家電部門でのソニーらしさがなくなったと批判する声も大きいが、スマートフォンとデジカメに関しては筆者はかつてのソニーの勢いが戻ってきたと感じている。