マウスコンピューターのゲーマー向けPCブランド・G-Tuneが販売している17.3型ノートPCがリニューアルされ、「NEXTGEAR-NOTE i990」シリーズとして新たに発売された。デスクトップPCの代わりとして使えるほどの大画面と、GeForce GTX 870Mの搭載を特徴とするハイエンド機種で、従来機種からはスペックのみならず使い勝手もさらに改善されている。

今回は、シリーズの中からSSD+HDDのツインドライブ構成を採用した「NEXTGEAR-NOTE i990BA1-SP」(販売価格199,800円・税別)の実機に触れ、性能を含む細部を確認してみよう。

GeForce GTX 870Mを搭載し、より使い勝手が良くなった「NEXTGEAR-NOTE i990BA1-SP」

スペックのみならずゲーマー向けの使い勝手も改善

「NEXTGEAR-NOTE i990」シリーズは、これまで販売されていた17.3型ゲーミングノートの「NEXTGEAR-NOTE i980」シリーズを置き換える形で登場した新製品。G-TuneのノートPCには13.3型、14型、15.6型、17.3型の4サイズが用意されており、i990シリーズは最も大型の機種となっている(なおG-Tuneの17.3型ノートには、このほかGPU2基をSLI構成で搭載するi1110シリーズが用意されている)。

デスクトップ代わりに使える余裕のある大型ボディ

17.3型という画面サイズは、現在一般に販売されているノートPCとして最も大きい部類にあたり、デスクトップPCの代わりに据え置いて使う用途に最適だ。フルHD(1920×1080)表示に対応し、液晶パネルの表面は反射の少ないノングレアタイプとなっている。コントラストや色の鮮やかさでは光沢タイプのパネルに一歩譲るものの、照明や外光の映り込みが小さく、長時間の使用でも目が疲れにくいというメリットがあるため、実用性は高い。

最近では珍しいIEEE1394ポートも搭載。USB 3.0ポートは3基(1ポートはeSATA兼用)

サウンドはヘッドフォン出力、マイク入力、ライン入力、SPDIF(光ミニ)を独立して搭載

画面出力はDisplayPort、mini DisplayPort、HDMIの3系統

基本的にはi980シリーズの特徴を継承しつつ、従来搭載していたGeForce GTX 780MをGeForce GTX 870Mに変更したものだが、使い勝手やゲームプレイ時の満足度をアップさせる改善も含まれている。

例えば、Windowsキーのオン/オフ機能。ゲームのプレイ中は、キャラクターの移動のための「W」「A」「S」「D」キーや、シフトキー、Ctrlキーなどを使用することが多いが、それらと近い位置にあるWindowsキーに誤って触れると、スタートメニューが開き、ゲームが中断してしまうことがある。特にアクションゲームでは、重要な場面でゲーム画面がバックグラウンドへ回ってしまうと、その間に攻撃を受けてミスにつながることもある。

このようなトラブルを防ぐために、新製品のi990シリーズではプリインストールされている管理ソフトからWindowsキーの動作を無効に設定し、ゲーム中に突然スタートメニューが現れるのを防止できる。また、この管理ソフトでは、その時々のマシン内部の温度にかかわらず、ファンの速度を最高速に固定し、常に最大の冷却能力が得られるようにも設定可能。多数のユーザーでの協力プレイ時など、高い負荷がかかる一方で動きの遅延が許されないシーンにおいて、少しでも高い性能を出し続けられるようにサポートしてくれる。

Windowsキーの無効化やファン最大速固定などが可能な管理ソフト

テンキーまでデスクトップPCと同じキーピッチで搭載

タッチパッドはフラットだが、ボタンには確かなクリック感あり。ホットキーで無効化も可能

Webカメラは200万画素

また、サウンド機能として「Sound Blaster X-Fi MB3」を採用している点は従来と共通だが、スピーカーの改善により低中音域の再生能力が大幅にアップしている。従来はスピーカーユニットの背面が開口構造となっており、マシンの内部への音漏れが大きかったため、失われてしまう低中音成分が多かったが、バックチャンバー付きのユニットを新たに採用したことで、表現力の向上に成功したという。今回試用した限りの主観でも、より充実したサウンドに感じられたが、マウスコンピューターによる周波数特性の測定データでも、明らかな改善が確認されている。

キーボードにLEDバックライトが搭載されている点も特徴だが、任意のカラー表示に対応しており、ユーザーの好みに応じてさまざまな色で点灯可能。色や点灯パターンを設定するソフトのUIが新しくなっており、より簡単に好みの色を指定できる。色は左・中央・右の3エリアに分けて設定可能で、編集した色設定は最大3種類まで保存してあとから呼び出すことができる。

設定ソフトのUIが一新。より色のデザインがしやすくなった

デフォルトではブルー1色だが、3エリアに分けて発光色を変更できる