太田は「話が進むごとに、キャラクターに感情移入して、一緒に生活しているような気持ちで見られる作品だと思います」とアピールしながら「私が演じるカーシャはアニメでの香貫花クランシーに当たる立場なんですが、私も原作は見ませんでした。隊員6人の関係性の中からカーシャというキャラクターが生まれた感覚です。押井さんからはカーシャは人として一番欠落していると言われて、すごく演じるのが難しかったです」と難しい役どころを吐露。続く堀本は「大田原は年齢が大田より上の設定になっています。僕のテーマは暴走するおっさんです!」とシンプルに宣言していた。
アニメを見てイメージを作って撮影に臨んだという田尻は「撮影が始まったら監督が走ってきて、弘ちゃんはレイバーがデッキアップしたらすることがないので、ぼーっとしていてください、ずっと大好きな鶏のことを考えていてください、と言われて考えていた演技が崩壊しました(笑)」と笑いを誘い、「ずっと鶏のことを考えていたので、全く新しい山崎像ができたと思います」と話していた。
続くしおつかは「僕はオーディションを演じた時、(アニメ版の)進士幹泰を演じるんだと思ってたんです。進士は愛妻家で恐妻家だったんですが、アニメで声優を担当していた二又一成さんは事務所の先輩。進士の奥さんの役はTARAKOさんで、彼女の劇団にもよく参加していて、人の縁を感じました」と意外なつながりを明かしながら、「私が演じている方の御酒屋は離婚していてギャンブラーなんですが、彼の机をよく見るとパチンコの本や離婚や慰謝料にまつわる本が並んでいたりして面白いです」と見どころを紹介した。
アニメシリーズと実写シリーズを繋げるシバシゲオを演じた千葉は「実写化は念願だったので、数年前に押井さんから電話が来たときはキタァ!と思いました。僕の中では『パトレイバー』の世界は続いていたので、時間がたってまた通勤してきた感じでしたね。でも、撮影現場で実物大のレイバーを見た時は流石にテンションがあがりました」と喜びをあらわに。そして「シバシゲオは僕ですから、役を作るとかはありませんでした。でも年を取って経験を積むことで、やっと先代の榊班長に言われていたことがわかるようになってきました。榊班長に怒られてばかりだった僕が、今そのまんま30人の整備員たちに言っています。榊班長のような身体で叩きこむ愛情を語っていたどう表現できるかを考えていました」と、アニメで阪脩が演じた先代班長への強い思い入れを語っていた。
役作りにかなり戸惑いがあったという筧は「(アニメの)後藤隊長は自分がやってきた方向とは全く違う人物だな、難しいなと思ったんです。彼の設定をパソコンに色々打ち込んでみたりもしたんですが、現場に入ってそれは無駄だなと思いました」と撮影に臨んだという。そして「隊員たちと一緒に過ごすことで役ができてくるんだなと思ってやりました。皆さんはまだ僕に違和感があると思いますが、これから一年間で馴染んでいってくれたらと思います。ネットやツーチャンネルでリサーチしてこれは違うと言われたら、撮り直しも厭わないつもりです(笑)」と冗談を交えて会場を沸かせ、「また、後藤田は正体不明なキャラクターなので、撮影中隊員に近づきすぎず、安心させないようにしていました」と話していた。
『機動警察パトレイバー』は1988年以降、TVアニメ、OVA、コミック、小説、劇場版などメディアミックス展開の先駆けとなった作品。その実写作品となる『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』は、初期OVAや劇場版1・2を手がけた押井総監督が新たな世代の"特車二課"の物語を全7章と長編劇場版を完全新作で制作し、4月5日より第一章が2週間限定でイベント上映される。第2章は5月31日、第3章は7月12日、第4章は8月30日、第5章は10月18日、第6章は11月29日、第7章は2015年1月10日より公開され、2015年ゴールデンウィークには長編映画の公開も控えている。実写版の舞台となるのはアニメの設定からは10年以上先で、汎用人型作業機械・レイバーが時代遅れの存在となった2013年の特車二課の面々が描かれる。