タブレットといえば、スマートフォンより大きな画面を備え、パソコンより軽量で動作が軽快、使い方が簡単……といった辺りが特徴だが、iPadやAndroidタブレットは、基本的にスマートフォンと同じ操作性で利用できるので、スマートフォンで慣れていれば違和感なく使えるというのもメリットだ。

タブレットの良さは、手軽に大画面を手元で操作できるところにある。スマートフォンと同じ感覚で7~10インチクラスの大型画面を操作できるので、Webサイトの閲覧、文字の入力、動画サイトの視聴といった操作がしやすい。スマートフォンよりは大きく重くなるので持ち運びはちょっとしづらくなるが、古いノートPCを持ち運ぶのに比べれば遙かに軽い。

家の中で使う場合も威力を発揮する。デスクにいてもソファーに座っていても使えるし、防水タブレットであればお風呂の中でも手軽に使えるのだ。どこでも使いやすいというのがタブレットのメリットだろう。

東芝「REGZA(レグザ)ブルーレイ DBR-Z160」

ソニー・コンピュータエンタテインメント「nasne」

しかし、単体で使うばかりがタブレットの真価ではない。タブレットとさまざまな機器を連携させて使うことができるようになって、さまざまな用途が生まれている。単体で使うなら、使い方にもよるが、PCの方が使いやすいことは多い。それに対して、デスクの前でPCだけを使っていた時代とは異なり、タブレットを持ち歩き、家庭内のさまざまな家電と連携させることは、PCよりも手軽に使えるタブレットの方が向いている。

タブレットでテレビは見られるか?

本稿ではまず、タブレットと家電の連携機能としては定番である「テレビ視聴」を試してみたい。PCと同じぐらい、テレビは「家庭内で固定して置かれている機器」だ。スマートフォンやタブレットにもテレビ機能が搭載されているが、やはりテレビ番組は大画面テレビで観るという人は多い。

固定して置かれているテレビは、当然ながらその前に行かなければ観ることができない。いわば、「人が合わせる」必要があるわけで、自由な場所で、自由な時間に観たい番組を観る、というのは誰しもが望んでいることだろう。

時間に関しては、録画機器としてHDDレコーダーがあるので、それを使えば「好きな時間」に見ることができる。「好きな場所」となると、テレビを移動させる必要があるが、さすがに何十インチの大きさのテレビを持ち歩くわけにはいかないので、それをタブレットで代用しようというわけだ。

最近のHDDレコーダーは、DTCP-IPに対応した製品が多くなっている。これは、デジタル放送をネットワーク配信するための著作権保護の仕組み。日本にありがちな無駄な技術の典型ではあるが、国内では必須であるとされているため、これに対応している製品を利用することが大前提だ。

幸い、主要なメーカーがリリースしているHDDレコーダーはおおむねDTCP-IPに対応しているので、最近のレコーダーを使う限りはあえて意識する必要はない。問題は数年前のレコーダーを使っている場合だが、これはもう「諦めるしかない」としか言えない。ちなみに、筆者宅のレコーダーは2011年発売の東芝「REGZA(レグザ)ブルーレイ DBR-Z160」で、この世代の「REGZA」シリーズは、ネットワーク系の技術にはあまり期待できない。その時点でもパナソニックやソニーは力を入れてきているが、これより新しい世代のレコーダーであれば多くの製品で、家庭内LANにつないでのタブレットで動画視聴が可能になっている。

新しいレコーダーを持っていない場合、もっとも手っ取り早いのは、ソニー・コンピュータエンタテインメントのネットワークレコーダー「nasne」を導入することだ。500GBモデルなら17,000円を切る価格なので、比較的手軽だ(ただし、500GBモデルはすでに出荷終了している)。

というわけで、次回は、タブレット向けのDTCP-IP対応アプリを使ったレコーダー視聴について試してみたい。