撮像素子には有効1,605万画素のLive MOSセンサーを、処理エンジンには「TruePic VII」をそれぞれ搭載する。これらは2013年に発売された同社のフラッグシップ機「OM-D E-M1」と同等のもの。レンズの光学特性や絞り値に応じて行われるシャープネス処理や色収差補正、偽色の低減処理を行うファインディテール処理なども継承されている。

実写では、被写体の質感やディテールをリアルに表現できる描写性能を確認できた。誇張を抑えた初期設定でのナチュラルな発色や、ノイズが目立たないように低減された高感度画質も悪くないと思う。なお個人的には、常用できる感度はISO1600までで、ISO3200以上は緊急用だと考えている。それで特に不自由は感じない。

トータルとしては、必要十分な機能を網羅したミラーレスカメラとして、コストパフォーマンスに優れた製品といっていい。控えめなシャッター音と快適なレリーズタイムラグ、コントラストAFのみながらストレスを感じないAF性能なども魅力的だ。

その上で要望を挙げるとすれば、上位製品との違いがもう少しあってもよかった気がする。たとえばOM-Dシリーズの3台はすべてチルト可動式モニターを採用しているが、一眼レフのフォーサーズ製品が採用していた横に開くバリアングル式モニターであれば、さらにアングルの自由度が高まっただろう。また、内蔵ストロボを搭載しつつもE-M5よりも小さく軽くなったことは評価するが、逆にもっと大胆に機能を省き、よりいっそうの小型軽量化を徹底する案もあったはずだ。

そんな意味で少し中途半端な印象は残るものの、OM-Dシリーズのラインアップ充実という点では価値ある製品だ。手軽なオート撮影から本格的なマニュアル撮影まで幅広く楽しみたい人にオススメできる。

絞り優先AE(F8 1/800秒) 露出補正:-0.3 ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:42mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8 1/640秒) 露出補正:+0.3 ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:14mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F4 1/640秒) 露出補正:+0.3 ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:60mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F5 1/1600秒) 露出補正:-0.7 ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:75mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F5.6 1/125秒) 露出補正:-0.3 ISO800 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:60mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8 1/125秒) 露出補正:+0.3 ISO500 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:60mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F4 1/1250秒) 露出補正:+0.7 ISO200 ホワイトバランス:晴天 焦点距離:60mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」(原寸大画像を見る)

マニュアル(F8 1/250秒) 露出補正:±0 ISO100 ホワイトバランス:日陰 焦点距離:20mm レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」(原寸大画像を見る)