海外DSPとの強固なリレーションでグローバルレベルのサービスを提供

Dentsu Audience Networkの特徴について、岡田氏は「国内はもちろん、海外のDSPとも強固なリレーションを構築していることが強みです」と語る。 確かに最近は、日本でもトレーディング・デスク・サービスに取り組む企業が増えてきた。しかし、その多くは国内の事業者のみと連携したものだ。

一方で電通の場合、2013年3月に英イージス・グループの買収を完了しており、RTBの先端的なトレーディング・デスク・サービスを提供する「AMNET」、SEO/SEMを専門とする「iProspect」といった同グループ子会社と連携。

さらには、世界最大規模のDSP事業者としてさまざまなターゲティング手法を提供する「Turn」、入札ロジックに定評がある「MediaMath」など海外DSPとの提携により、グローバルレベルで最高水準のサービスを提供することが可能となっている。

このメリットについて岡田氏は「もともとDSPやアドエクスチェンジといった領域は米国から出てきたもので、日本と比べてテクノロジー面で1年ほど先行しています。

この領域に長けたイージス・グループと連携することにより、プラットフォームの活用方法などノウハウの部分も含めて、最先端のサービスを日本のお客様にご提供できるようになりました。トレンドをいち早くキャッチアップし、常に先をイメージしながら日本市場のニーズに応えられます」と語る。逆に、独自性の高い日本市場の情報を、海外へ提供する役割も果たしているそうだ。

ダイレクト系だけでなくブランディング系にも強い2チーム体制

Dentsu Audience Networkは、その体制面にも大きな特徴がある。部署内で、ブランディングクライアントを中心に担当するチームと、ECやクレジットカードなどにフォーカスしたダイレクトクライアントを中心に担当するチームが存在し、各分野のスペシャリストが最適なサービスを提供しているのだ。

レスポンス効率を追求していくダイレクトクライアントに対し、ブランディングクライアントでは広告配信後の反応から次の施策を見出していく点で大きな違いがある。同社ではクライアントの案件に応じた専門チームを展開しているわけだ。

日本国内の一般的なトレーディング・デスク・サービスは、ブランディングクライアントの取り扱いが1割に満たないことも多い。しかし同社は総合広告代理店という事業内容に加え、この2チーム体制によって約3割をブランディングクライアントが占めているそうだ。こうした実績は、ブランディング主体の広告配信を行いたい企業にとって実に心強いだろう。