AMDが満を持して放つ第4世代APU「Kaveri」

ゲームユーザーに絶大な支持を受けているマウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」。その中でも、マイクロATXでありながら高い拡張性を持つPCとして人気の高い「NEXTGEAR-MICRO」シリーズに、2014年1月に新たに発表されたAMDの第4世代APU、開発コード「Kaveri」を搭載したモデルが加わった。CPU部、GPU部ともに新しいアーキテクチャが採用されており、全体的にパフォーマンスがアップしている。またRadeonで先行して導入されていたグラフィックスAPI「Mantle」や、オーディオDSP「TrueAudio」にも対応した。その性能バランスと協調性の良さから、自作ユーザーの間ではすでに人気を呼んでいる製品だ。

今回は、AMD搭載モデル「am510シリーズ」のミドルレンジとなる「NEXTGEAR-MICRO am510SA2」を試用することができた。グラフィックスカードには同じくAMD製の「Radeon R9 260」を搭載しており、ゲーム用PCとしてより高い性能が期待できる。さっそくその実力を探っていこう。

AMDの第4世代APU「Kaveri」を搭載した「NEXTGEAR-MICRO am510SA2」

エアフローに優れたミニタワーに「Radeon R9 260」を搭載

まずは「NEXTGEAR-MICRO am510SA2」のハードウェアを確認しよう。APUは「Kaveri」の上位モデルとなる「A10-7850K」を搭載。4コアを内蔵し、定格クロックは3.7GHzで、CPU温度に余裕のあるときにはTurbo Coreテクノロジーによって最大4.0GHzまで上昇する。グラフィックスカードには「AMD Radeon R9 260」を採用。こちらはOEM専用で、一般向けには販売されていない製品だ。主な仕様は「Radeon R9 260X」と同等であるため、性能も基本的に同じと考えていいだろう。DVI-I、DVI-D、HDMI、Displayポートを備え、マルチディスプレイにも対応できる。

グラフィックスカードは一般向けには販売されていない「AMD Radeon R9 260」

ケースは、NEXTGEAR-MICROの顔ともなってきている、IN WIN製のG-Tuneオリジナルケース。奥行が短いため、スペースが限られた場所にも設置できる。フロントに装備された2基のファンによる吸気、リア・トップの2基のファンによる排気によって、効率的なエアフローを実現。さらにサイドパネルにも大きな通気口が用意されており、熱暴走の心配なくゲームを続けられる仕様といるだろう。

ケース前面の様子。メッシュが多用されており、中段、下段にはそれぞれ14cmファンと8cmファンが搭載されている。メッシュ部分は簡単に取り外し可能

ケース背面の様子。ファンは9cmが1基。「Radeon R9 260」を搭載しているため、マザーボードの映像端子にはカバーが付けられている

ケース左側面の様子。大きなメッシュ加工が施されており、通気性に優れる。エアフロー強化のためにユーザーがファンを追加することも可能だ

ケース左側面のカバーを開けたところ。電源とHDDは下部に設置されている。前面ファンの風が直接グラフィックスカードに当たる構造となっている

光学ドライブはケース前面の最上段に設置。3.5インチベイにはカードリーダーも装備している。端子やボタンが1カ所にまとまっており、わかりやすい

ケース前面のメッシュ部分は、ケースを開けなくてもワンタッチで着脱できる。こまめにほこりの掃除を行えば、熱暴走の危険を避けられる

ケース上部にも排気ファンが設置されている。煙突効果により、ケース内の熱を外部に効率よく排出する。設置の際は塞がないように気をつけよう

ドライブベイ用の空きスペースは、2.5インチ×1と3.5インチ×1。最下段のベイユニットに追加する場合は、一度ケーブルを外しユニットごと前面から引き出して行う

拡張の余地を残した内部と、ゲーム向けキーボード&マウス

内部はすっきりとしており、フロントからの吸気が直接グラフィックスカードに当たる構造となっている。マザーボードはMicro-ATXサイズで、チップセットは「AMD A78」。上段の2スロットはグラフィックスカードによって使用されているが、PCIスロットおよびPCI-Expressスロットに空きがあるため、将来の拡張にも対応できる。電源はケース下部に設置されており、定格出力は700W。電力変換効率に関する規格80PLUSのGOLD認証製品が採用されているため、省電力にも期待が持てそうだ。

グラフィックスカードを取り外したマザーボードの様子。拡張スロット、メモリ、SATAコネクタそれぞれに拡張の余地を残している

電源の定格出力は700W。かなり余裕のある容量だ。省電力化プログラム 80PLUSにおいてGOLDの認証を得ており、変換効率が高い

メモリスロットは2基で、DDR3-1600、8GB×1枚が標準で搭載されている。容量を増やしたい場合には、BTOで16GBに追加可能だ。HDDは1TBで、ゲームデータのアクセス速度向上のために7200rpm製品を採用している。同梱のキーボードとマウスは、G-Tuneオリジナルモデル「Accurate Keyboard」と「ゲーミングマウス」だ。「Accurate Keyboard」は、11キーの同時押し機能や、Windowsキーの動作を一時的に無効化するWindows Lockキー機能を備える。「ゲーミングマウス」はコンパクトながら2つのサイドキーを備えた製品で、マウスカーソルの移動速度をワンタッチで切り替えられるボタンを備えている。ともに、ゲームを楽しむ際に大いに役立つことだろう。

DDR3-1600、8GBのメモリが1枚搭載されている。メモリスロットには1基の空きがあるので、必要に応じて追加しよう

キーボードとマウスは、G-Tuneオリジナルモデル。ゲームを遊ぶ際に役立つ機能が盛り込まれている。G-Tuneを買った人だけが使える製品だ