石川県金沢市主催のもと、毎年行われているクリエイターの祭典「イート金沢(eAT KANAZAWA)」。今回は1月24日のみのワンデーで、金沢国際ホテルにて開催された。

テーマは「おもしろい次世代」。"おもしろい"を仕事にしてしまうスゴイ次世代から我々が学べることは何かを熱弁するにふさわしい「おもしろい」クリエイター4組が「スーパーレクチャー」の講師として招聘され、期待以上の熱弁に会場のボルテージもヒートアップした。

スーパーレクチャー 1 何かを生み出すおもしろさ

"おもしろい次世代"のトップバッターとして登壇したのは、ロフトワーク社代表の林千晶氏だ。13年前に立ち上げた同社の成り立ちがそもそもユニークで、「クリエイターやデザイナーという人たちはとにかくスゴイ。だからいっぱい集めてプラットフォームを作りたい」というもの。しかし、どうしたらそれが仕事になるのか、それで仕事は舞い込んでくるのか。当初はまったくイメージがなかったそうだ。

ロフトワーク社代表の林千晶氏

林氏が設立した「FabCafe」は、デジタルファブリケーションとデザインの力との実験の場。さまざまなイベントがカフェ内で行われている

クリエイター向けポートフォリオサイト「loftwork.com」など、複数のプラットフォームを運営している

でも、自分の収入がいつになったら得られるのかはわからないものの、クリエイターには何かを変える力があるはずだということだけは設立当初から変わらぬ思いとしてあり、1年後には500人が登録するなど信頼を得た。そしてWebの台頭と、きっかけとなるいくつかの新しい仕事も生まれ、今に至ったそうだ。クリエイターをつなぐことで新しい仕事を産み出している氏は、「お金だけではなく、お金になっていないところでどんな交換をしているのかが大事」という。新しい何かを生み出すためのマニュアルなんて、あるわけはない。無鉄砲でもいい。やらないとわからないのだから、先を読もうとせずまずやること。それが未来をつくる生き方ではないかと強く語った。

スーパーレクチャー 2 企業理念「がんばるぞ!」

頑張ったときは頑張らなかったときに比べて2倍以上の結果が出せている、らしい。だから企業理念は「がんばるそ!」。ポリシーは「ふさけたことしかやらない」。そう語るのは、バーグハンバーグバーグ社代表のシモダテツヤ氏だ。

バーグハンバーグバーグ社代表のシモダテツヤ氏

「自分たちはお笑いがウリであり、それが薄まると思える仕事は引き受けない」と話すシモダ氏。意外にもこの線引きがあることで儲かるそうだ

起業前から運営していたお笑いWEBサイト「オモコロ」を軸に、お笑いやユーモアに関する仕事のみを請け負っている。理由は簡単だ。自分たちが一番得意なことは「ふざけたこと」であり、ラーメンでいえば、味噌も醤油もトンコツも出す店より、とんこつ一本で勝負する店のほうが信用がおけるから。一貫した「おもしろさ」を仕事にしているまさにクリエイターらしいエピソードを披露してくれた。