米サンディスクコーポレーション リテール製品マーケティングディレクターのスーザン・パーク氏がCP+に合わせて来日。そこで、今回発表された「SanDisk Extreme PRO SDXC/SDHC UHS-IIカード」に関する話題を中心にお話をうかがった。
―― 早速ですがCP+のご感想はどうでした?
パーク氏「CP+には以前にも来ています。初日から来場者が多く、日本における写真に対する熱意を感じる展示会ですね。今年は4Kビデオがハイエンドからコンシューマーにも広がりを見せており、素晴らしいカメラが登場しつつあるように思えました」
―― その中で世界最速のSDメモリーカードの発表がありました。サンディスクならではの魅力はどの辺にあるのでしょうか?
パーク氏「ほかにも、UHS-IIやU3(UHSスピードクラス3)に対応した製品はあります。しかし、サンディスクのSDメモリーカードはUHS-IIかつU3で最高のスペックですし、プロフォトグラファーからも高い信用あるブランドと認知されております。
当社はメモリカード専業として25周年を迎えており、常に高性能かつ高信頼の製品をお届けしてまいりました。この方針は今後も変わりません。ユーザーの方々に、サンディスクなら信頼できると思っていただけると確信しております」
SDアソシエーションブース内に設けられた、サンディスクスペースの展示。「サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード」と、「サンディスク エクストリーム プロ SD UHS-II リーダー/ライター」だ。UHS-II対応のSDメモリーカードは、コネクタ部分の接点を上下2段とすることで、ホスト側とやりとりするデータ量を増やし、転送速度を高めている |
USB 3.0およびUHS-IIに対応したSDメモリーカードリーダー「サンディスク エクストリーム プロ SD UHS-II リーダー/ライター」。小型軽量、スライド式のUSBコネクタは、持ち運びに適している |
―― UHS-II規格もU3も、規格制定から少々時間が経過しています。この手の製品は制定と同時に製品が出ると思っていたのですが、技術的なハードルが高かったのでしょうか?
パーク氏「UHS-IIは従来と異なる転送方式で、やや難しい側面があります。高速転送を実現するためにも、製品のコアとなるメモリチップを含めた製品設計が必要となります。サンディスクは自社で最新かつ高品位のメモリチップを製造しており、高いクオリティの製品を安定して供給できるという強みを持っています」
こちらはサンディスク単独ブースの展示より。富士フイルムのミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T1」はUHS-IIに対応しており、そのスピードを体験できる。簡単に試してみたが、連写した画像が記録されていくスピードが速い |
―― 今のところ残念ながら、UHS-II対応のカメラはまだ富士フイルムさんの「T-X1」だけです。各カメラメーカーさんとは、どのように取り組まれているのでしょう。
パーク氏「UHS-IIに関しては、転送方法が従来と大きく異なるため、カメラメーカーさんが早期に採用するか否かはコメントできません。ただ、デジタルカメラにおいて、メモリカードというのは重要な構成要素の1つです。読み書きのトラブルが発生することは、カメラメーカーさんやサンディスクへの信頼性を落としてしまいます。
このため、製品化前のアーリーサンプルを主なカメラメーカーさんにお渡ししており、細かなトラブルが発生しないかどうか、お互いに綿密な連絡体制を取っています。何らかの問題が発生しても、製品化の前に解決できる体制になっています」
―― 今回の製品は、プロフェッショナルフォトグラファー(もちろんコンシューマーレベルでも)のワークフロー改善になると期待できますね。
パーク氏「今回の製品(サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード)は、読取速度が最大280MB/秒と大幅に向上しました。UHS-II対応のカードリーダーを使うことで、撮影後の処理向上に十分な効果があると思っています。
PCに内蔵されるカードリーダーのUHS-II対応は、サンディスクが関わる部分ではないのですが、今後どんどん進むでしょう。SDアソシエーションのブースでは、UHS-II対応カードリーダーを搭載したPCがいくつか展示されていますし、ベイハブ社のUHS-II対応コントローラーもあります。UHS-II対応コントローラーが充実してくることで、将来的にはPCの内蔵カードリーダーがUHS-II対応になると期待しています」
―― 個人的には、ノートPCやUltrabookでのサブストレージとしてSDメモリーカードを使うことが多いので、より大容量のメディアが欲しいですね。
パーク氏「多くのノートPCにメモリカードスロットが搭載されいている一方、あまり活用されていないというデータもあります。サンディスクは速度や容量、そして価格が異なる幅広い製品群を提供していますので、目的に合った製品を選んでいただけるのではないでしょうか。今おっしゃったように、SDメモリーカードは補助ストレージにも利用できることを広く伝えていただけると、我々としてもとても嬉しく思います」