神奈川県・横浜市のパシフィコ横浜で開催された「CP+2014」。SDアソシエーションのブースにて、米サンディスクコーポレーション リテール製品マーケティングディレクターのスーザン・パーク氏が、UHS-IIとU3(UHSスピードクラス3)に対応した同社の世界最速(2014年2月14日時点、サンディスク調べ)のSDメモリーカード新製品「サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード」をプレゼンテーションした。
サンディスクのプレゼンテーションはSDアソシエーションブースで行われた。写真左はSDアソシエーションブース内のサンディスクコーナー。写真中央と写真右は、サンディスクの単独ブース。展示内容については後述する |
2月14日に行われたプレゼンテーションでは、冒頭にサプライズゲストが登場。ナショナル ジオグラフィックの表紙を2回飾った「アフガニスタンの少女」を撮影した写真家、スティーブ・マッカリー氏が登壇した。スティーブ氏は、写真芸術の世界に大きく貢献した写真家を称えるためにサンディスクが設立した、「サンディスク エクストリーム チーム レジェンド」メンバーの一人だ。
マッカリー氏は「フォトグラファーとして重要なのは写真を撮ることであって、機材に関して心配をしたくない。サンディスクのメモリカードは高品質かつ高性能なだけでなく信頼性が高いので、素晴らしい仕事ができる。これを分かっているから、信頼して利用している」とコメントした。
さて、米サンディスクのスーザン・パーク氏は、同社に10年以上在籍しており、写真撮影の変化を見てきた。高品質の画像を得るため、解像度の向上とともにファイルサイズが増え、さらに4K動画の記録や一瞬のチャンスを連続的に捉えるために、高速性が求められるようになったという。
プロの写真家は、常により高いレベルの写真を撮ることが使命。その要求に応えるべく登場したのが、今回のSDカード製品「サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード」と紹介した。
今回発表された世界最速のSDメモリーカード「サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード」(写真左)。10年前のメディアと比較して、転送速度が飛躍的に向上している(写真中央)。高速バスインタフェースのUHS-IIと、最低転送速度が30MB/秒のU3(UHSスピードクラス3)に対応する(写真右) |
10年前には10MB/秒程度の転送速度しかなかったメモリカードだが、2013年には読込最大95MB/秒、書込最大90MB/秒までSDカードの転送能力を向上させている。これに対し、今回の新製品は読取最大280MB/秒、書込最大250MB/秒と、転送速度が飛躍的に向上。高画質の連続撮影にも対応する。また、連続転送速度で最低30MB/秒を保証するU3(UHSスピードクラス3)にも対応し、4K/フルHDビデオを確実に記録できるようになった。
その高速性を下支えしているのが「UHS-II」で、SDアソシエーションで制定された規格だ。UHS-IIは、104MB/秒のバスインタフェース速度を持つUHS-I規格の後継として登場した。UHS-Iの上位互換を保ちつつ、追加された信号ピンと差動転送を行うことで、312MB/秒という3倍のバス速度が得られる。
UHS-IIは物理的なバスインタフェース規格 |
U3(UHSスピードクラス3)は、30MB/秒の最低読み込み速度を保証する規格 |
今回、USB 3.0およびUHS-IIに対応したSDメモリーカードリーダー「サンディスク エクストリーム プロ SD UHS-II リーダー/ライター」も発表 |
今回はメモリカードだけでなく、USB 3.0接続のUHS-II対応メモリカードリーダーも発表した。撮影した画像をすばやくPCに転送できるため、ワークロード改善にもつながるという。また、UHS-II対応カメラとして2月15日から発売される富士フイルムの「FUJIFILM X-T1」を手にし、ハイパフォーマンスがフルに発揮できることをサンディスクブースで実際に確認してほしいと紹介した。
サンディスクは高性能なメモリカード製品を次々と投入しており、今回のUHS-II対応SDメモリーカードを4月から発売することと合わせ、世界最速をうたうコンパクトフラッシュカードやmicroSDカードもアピール。その結果、同社が日本で実施したオンラインリサーチ結果によると、プロフェッショナルフォトグラファーのうち85.5%が、サンディスクが信頼できるメモリカードブランドと回答するようになった。世界でも日本でも、市場シェアはトップ。直近では、日本においてGfKとBCNのアワードを得たという。
サンディスクはメモリカード専業会社として25年を迎えているが、「これまでもこれからも、信頼できる高性能メモリカードをお届けする」(スーザン・パーク氏)として、プレゼンテーションをしめくくった。