既報の通り、AMDは2月13日にデスクトップ向けGPU「Radeon R7 265」を投入した。これに先立ち10日にはRadeon R7 250Xを投入しており、バリューからミドルレンジまでの品ぞろえを厚くした形だ。

このRadeon R7 265のスペックなどは先の記事に示されている通りで、ポジション的にはRadeon R7 260とRadeon R9 270の間というあたり。NVIDIAのGeForce GTX 650 Ti Boostに対抗するといった位置付けになる。

これに対抗して、というわけでもなかろうがNVIDIAもこのレンジに新製品を投入した。2月18日発表になったのはGeForce GTX 750 TiとGeForce GTX 750の2製品である(Photo01)。

Photo01:ミドルレンジのゲーミングGPUというポジショニングなのが判る

Maxwellベースの最初の製品

GeForce GTX 750/750 TiはMaxwellベースの最初の製品となる(Photo02)。この結果として従来製品に比べて大幅に性能が改善した(Photo03~07)としている。気になる競合製品との比較であるが、AMDのRadeon R7 260Xと比較しても十分競争力がある(Photo08~09)と主張している。

Photo02:今回Maxwellそのものに関する詳細な説明は無かったが、特徴としてこれまでよりも処理の粒度が細かいこと、コアあたりの性能や消費電力あたりの性能が改善されていることが挙げられている

Photo03:世代毎に2倍の性能/消費電力比の向上を実現、ということらしい

Photo04:GeForce 550Tiと比較すると絶対性能でも2倍以上とされる

Photo05:こちらはカード全体での消費電力の比較60Wということで補助電源コネクタが不要になるわけだ

Photo06:この結果として、300W電源程度が搭載された小型PCでも十分搭載ができる、というのがここでの主張。これはCall of Dutyでのテスト結果

Photo08:Radeon R7 260Xでの成績を100%としたときの比較

Photo08:Radeon R7 260Xでの成績を100%としたときの比較

Photo09:ここでも消費電力の低さは大きなメリットだとしている

製品スペックはこんな具合(Photo10)だ。ポジション的にはGeForce GTX 650Ti Boostの置き換えということで、動作周波数は同じ1GHz程度に。ただコア数はやや減り(768基→640基)、メモリバス幅も削減(192bit→128bit)、Memory Speedも微減(6Gbps→5.4Gbps)というあたりは、性能にどう反映されてくるか微妙な感じだ。

Photo10:Base ClockとBoost Cloclの差が殆ど無いのは、やはり60Wの枠に収めるためだろうか?

このGeForce GTX 750 Tiの下位モデルに当たるのがGeForce GTX 750である。やはり従来のカードとの置き換えで大きな性能向上が得られる(Photo11とPhoto12)としており、またRadeon R7 260と比較しても有利である(Photo13,14)としている。

Photo11:World of Tanksでの結果

Photo12:Skyrimでの結果

Photo13:こちらはRadeon R7 260が競合という位置付け

Photo14:消費電力比較。TDPは5W下がった55Wである

スペックはこちら(Photo15)で、コア数を若干減らし、これにあわせてメモリの速度をやや落としたのがGeForce GTX 750 Tiとの違いである。最後にポジショニングであるが、既存のGeForce GTX 650 Tiを置き換える形になる。とはいえ、しばらくは併売される模様だ(Photo16)。

Photo15:意外にも動作周波数そのものはいじらなかった

Photo16:厳密に書けばGTX 650 TiをGTX 750で、GTX 650 Ti BoostをGTX 750 Tiで置き換えるというあたりではないかと思う