今回は、新型Mac Proをシャープの4Kディスプレイ「PN-K321」につないでテストしている。PN-K321は最大解像度3,840×2,160ドットという4K2K解像度に対応した製品。透過率の高いIGZO液晶パネルを搭載しており、本体の厚みは最大35mmと非常に薄いのが特長だ。液晶サイズは32型で、画素密度は140ppiとなっている。映像入力はDisplayPortおよびHDMIに対応する。
今回は、4Kディスプレイの性能をフルに生かすため、Mac ProとディスプレイをDisplayPort経由で接続した。なおPN-K321はデフォルトでリフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)が30Hzになっているため、OSDの「本体設定」にある「DisplayPortストリーム」で「SST」となっているのを「MST」に変更しておく必要がある。これによって通常のパソコン用液晶ディスプレイと同じ60Hzで動作させることができる。2014年1月時点でアップルがMac Proでの60Hz動作をサポートしている4Kディスプレイは、このPN-K321とASUS「PQ321Q」の2機となっている。なお、60Hzで動作させるにはファームウェアを最新版にしておく必要がある。
実際につないでみると、その作業スペースの広さに圧倒される。フルHDディスプレイを4つ縦横に並べたのと同じスペースなわけで、とにかく何をするにも余裕がある。操作パネルなどがたくさんあるグラフィックアプリなどを使う場合でも、作業領域が広くとれるのは非常にありがたい。4K動画素材を再生してみると、2Dなのに3Dで見ていると錯覚するほどの生々しい立体感がある。とくに今回試したPN-K321は32型というサイズにもかかわらず画面の均一性が高く、画面一杯に単色を表示させた場合でも色ムラや輝度ムラがまったく気にならなかった。また、色再現性も高く、グラデーションがなめらかで、人肌や青空などの階調のつながりも非常にきれい。4Kの映像素材を編集するには、間違いなくMac Pro+PN-K321は現時点で最高の選択肢のひとつだと言える。
難点があるとすれば、作業スペースがあまりにも広いため、ともすればカーソルを見失ってしまうことぐらい。そのため、使用する際は、OS Xのシステム環境設定の「アクセシビリティ」で、あらかじめ「カーソルのサイズ」を作業しやすい大きさに設定しておくといいだろう。