- 長所その6「適度なサイズ感とグリップ感」
EOS 70Dのボディは、レンズ交換式のカメラとして特に小さくはない。より上位のフルサイズ機に比べれば小さくて軽いが、今どきのミラーレスカメラに比べると携帯性では不利だ。ただ、常時携帯する用途ではなく、撮影を目的に出掛ける用途では、EOS 70Dのボディは適度なサイズ感と重量感があって、むしろ取り回しがいいと感じている。大柄のラバーグリップは私の大きな手にぴたりとなじみ、大口径ズームを装着しても全体のバランスは崩れない。
- 長所その7「キットレンズの写りがいい」
EOS 70Dのダブルズームキットには、標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」と望遠ズーム「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」が付属する。どちらも、ほぼ無音でスムーズにAFが作動するステッピングモーター搭載レンズだ。描写性能も良好。高価なLレンズには及ばないものの、画面四隅まできちんと解像し、2,020万画素センサーの魅力を引き出してくれる。
- 長所その8「Wi-Fiによるリモコン撮影に対応」
機能面では、無線LANの内蔵によってスマホをリモコン代わりに使えることや、スマホの画面を見ながら撮影画像のチェックができる点がありがたい。また、レリーズ時の音を低減できる静音撮影モードや、ファインダー内の格子線表示も役立っている。
後継機に期待したい点
一方で、改善を望みたいのは以下の2点だ。
- 改善希望点その1「ライブビュー撮影後のブラックアウト時間が長い」
ライブビューで撮る際、シャッターを切った直後には液晶モニターが約1秒暗くなり、そのあと約2秒アフタービューが表示され、さらに約1秒再び画面暗くなってから、ライブビュー画面に復帰する。つまり、ライブビュー撮影では、1回シャッターを切ってから次の撮影スタンバイ状態にもどるまでに合計4秒もかかってしまう(ドライブモード:1枚撮影、記録画質:RAW+JPEGラージ/ファインの場合)。これだけ待たされるのでは、動きのあるシーンを連続的に撮るのは困難だ。
- 改善希望点その2「ライブビューの連続撮影モードが使いにくい」
ライブビューでドライブモードを連続撮影にした場合は、連写中ずっと液晶画面がブラックアウトしたままなので、構図は勘に頼るしかない。しかもライブビューでは、連続的にピントを合わせるAIサーボAFが使用できず、連続撮影時にAFが作動するのは1コマ目のみとなる。
以上のように、いちばん気に入ったポイントは実用性の高いライブビュー機能を搭載したことであり、だからそこライブビューの細かい部分には注文を付けたいこともある。全体としては、中級の一眼レフとしてバランスよくまとまった内容といえる。次回以降は、実践編として撮影シーンに応じた使いこなしを紹介していこう。