前回に比べ、付加価値ARPUの上昇に鈍化が見られるが、「そもそも論としてフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が計画より弱め」のため、スマートフォン向けのコンテンツサービスの加入の伸びが弱まったことが原因だとしている。
端末販売では、ドコモがiPhoneの取り扱いを始め純増数を伸ばしたが、「相当影響があると思っていた」ものの、「第3四半期は乗り切り、予想よりもいい方に流れている」としており、業績に大きな影響は与えなかったようだ。
ただ、3社がiPhoneを取り扱うことで、料金プランを含めて「同質性が進んでいる」という状況で、キャリア間の移動が以前よりも小さくなったという。そこで、来期に向けてKDDIではネットワーク、端末、料金、サービス、サポートの5つのポイントで差別化を図っていく意向。
そうした中、ソフトバンクが新たな料金プランとして、一定時間・一定回数までの音声通話を定額にし、パケット定額制とパックにした料金プランを打ち出してきた。これについて問われた田中社長は、「今後VoLTEを導入していくことになるが、それを視野に入れて考えている状況」とコメント。現時点で同様のプランに追随する考えはないとしており、現在のパケット通信の上限7GBを3GBに減らすといったプランは「検討のテーブルには載っていない」という。
田中社長は、同プランについては「(料金が)高くない? 」と正直な感想。「自分自身であまり納得感がなく、もう少し考えたい」として、当面は現行の料金プランと、昨秋に導入したデータシェアプランを柱に、auスマートバリューのような料金施策で対抗していく考えだ。
いずれにしても、好調な決算を受けて通期予想を上方修正するなど、来期に向けて「良いスタートが切れている」と田中社長はアピール。今後、さらにサービスなどを拡充して、さらなる拡大を目指していく考えだ。
(記事提供:AndroWire編集部)