Lenovoは1月29日(米国時間)、29億1,000万ドルで米Googleから携帯端末部門であるMotorola Mobilityを買収することで合意したと発表した。Googleは2011年8月に同社を買収する際、125億ドルを支払っている。わずか2年半で巨額資金で入手した同事業を手放すことになったわけだが、背景になにがあるのかを分析してみる。
Lenovoはスマートフォン市場世界5位のメーカー
意外に思われるかもしれないが、Lenovoは世界のスマートフォン市場シェアでHuaweiやLGといったメーカーらと接戦状態にあり、今回のMotorola Mobility買収で世界3位にまで浮上するとみられている。今年1月27日に米IDCが出した最新の調査報告によれば、Samsungが31.1%、Appleが15.3%、Huaweiが4.9%、LGが4.8%、Lenovoが4.5%となっている。特に出荷台数の伸びでは上位5社中Lenovoが突出しており、その急成長ぶりがうかがえる。
■世界のスマートフォン市場ベンダー別シェア(出典: IDC、出荷台数の単位は百万)
ベンダー | 2013年出荷台数 | 2013年シェア | 2012年出荷台数 | 2012年シェア |
---|---|---|---|---|
Samsung | 313.9 | 31.3% | 219.7 | 30.3% |
Apple | 153.4 | 15.3% | 135.9 | 18.7% |
Huawei | 48.8 | 4.9% | 29.1 | 4.0% |
LG | 47.7 | 4.8% | 26.3 | 3.6% |
Lenovo | 45.5 | 4.5% | 23.7 | 3.3% |
その他 | 394.9 | 39.3% | 290.5 | 40.1% |
合計 | 1,004.2 | 100.0% | 725.3 | 100.0% |
「Lenovoのスマートフォンなんて日本はもちろん、海外ニュースを見ていてもあまり話題になっていない」と思われるかもしれないが、Huaweiの躍進に見られるように、同社の出荷台数の多くは中国を中心とした新興国での好調による部分が大きい。売上で換算するとわからないが、出荷台数ベースではこれら新興国の数字は大きく出る傾向があり有利だ。もし現状の成長ペースを維持できるなら、遠からずAppleやSamsungを脅かす存在となる可能性がある。