片手に入るThinkPad
レノボ・ジャパン 製品事業部 ThinkPad 製品担当 吉原敦子氏 |
続いてレノボ・ジャパン 製品事業部 ThinkPad 製品担当 吉原敦子氏が、新製品の概要を説明した。吉原氏は「2013年7月にThinkPad X240sとThinkPad T440sを投入してきたが、以前に比べてユーザーの方がニーズが多様化してきた」として、ユーザーのニーズに細かく応えるために新製品を投入するという。
「ThinkPad 8」は既報のとおり、8.3型ディスプレイを搭載したWindowsタブレットで、重量は約430gと同サイズのWindowsタブレットと比較してとりわけ軽量というわけではないが、「女性が片手で持っていても疲れない重さ」(吉原氏)だという。
プロセッサには「Bay Trail-T」(開発コード名)でも上位のIntel Atom Z3770を搭載。ディスプレイは1,920×1,200ドットのWUXGAの高解像度液晶を備えるなど、Windows 8タブレットの中でもハイエンドモデルとなっている。
「片手に入るThinkPad」として、個人の所有するデバイスを業務に活用するBYOD(Bring your own device)といった部分から、提案したいという。
ThinkPadブランドでは、多彩なオプション製品も特長の1つだが、「ThinkPad 8」では保護フィルムやプライバシーフィルタ、プロテクターといった従来のタブレット製品でもおなじみのオプションに加えて、専用カバー「ThinkPad 8 クイックショット・カバー」を新たに用意する。
「ThinkPad 8 クイックショット・カバー」は、背面カメラ部分がめくれる仕様で、カメラ部分をめくると自動的にカメラアプリが起動し、専用カバーを付けたままで使用することができる。また、カバーを閉じるとスリープ状態に、開くとスリープ状態からの復帰を行う。
ワールドワイドではLTE通信に対応したWWAN搭載モデルが用意されているが、日本国内での販売についても「お声は多くいただいており、検討中」だという。また、日本国内でのモデルにはGPSが仕様にないが、「もし今後、WAN搭載モデルを販売するとしたらそちらには搭載されると思う」とのこと。
細部にこだわる2in1「ThinkPad Yoga」
「ThinkPad Yoga」は、レノボがコンシューマ向けPCとして販売している「Yoga」シリーズと同様に、特殊なヒンジを採用することで、360度までディスプレイを開くことができる。ディスプレイの開く角度によって、ノートブックモード、タブレットモード、テントモード、スタンドモードの4つモードを使い分けることができる。
ThinkPad Yogaでは、ディスプレイを180度以上に開いた場合、キーボードのフレーム部分が自動的に上昇し、トラックポイントの引っかかりを防止する「Lift'n' Lock」キーボードを備える。
従来の「Yoga」シリーズと異なり、ThinkPadではキーボードにトラックポイントがあり、タブレットモードやスタンドモードで利用する際に、キーボードがデスクなどに触れてトラックポイントが引っかかり、外れてしまうことを防止する。
このほか、ストレージの保護機構であるアクティブプロテクション・システムを、2in1PC向けに改良するなど「細部にこだわった」(吉原氏)PCだという。
新感覚のUltrabook「新しいThinkPad X1 Carbon」
最後に紹介するのは、「新しいThinkPad X1 Carbon」。より薄くなった筐体にWQHD(2,560×1,440ドット)のIPS液晶を搭載するプレミアムモデルだ。しかし、米国ラスベガスで開催した2014 International CES(CES 2014)での発表時から大きな話題になったのは、キーボードだろう。
「新しいThinkPad X1 Carbon」では、これまで物理キーだったファンクションキーを、「Adaptive」キーボードというタッチ式のキーを採用した。ブラウザやVoIPアプリケーションなど、利用するソフトウェアによって異なるファンクションキーの内容を表示することができる。
吉原氏は「新しいThinkPad X1 Carbonは、従来のユーザーの方だけではなく、新しいユーザーの方にも向けたカバレッジの広い製品」と説明する。「Adaptive」キーボードでは、操作の内容がアイコンで表示することができるため、従来のThinkPadユーザーでなくとも直観的な操作が可能になるという。
吉原氏は「今回発表した3機種によって、モバイルの製品分野をさらに充実させることができた」と自信を見せた。