コンシューマーレベルで考えられるあらゆる用途に対応

入出力端子が充実していることから、本体とほかの周辺機器を接続して楽しむ使い方も幅広い。例えば、MB-W710S-SHでは標準でブルーレイディスクドライブを搭載しており、市販のブルーレイディスクを再生することができるが、HDMI出力端子を利用すれば、液晶テレビとケーブル1本で接続するだけで、より大きな画面に映像を出力することができる。最近はオフィスに設置されるプロジェクターなどでも、アナログRGBに加えHDMI入力を備える機種が多くなっているので、資料を投影する場合などもHDMI出力を使うことでアナログ接続よりも、より鮮明な映像を得られるだろう。

ディスプレイ出力はHDMIとアナログRGBの両方を利用可能

オーディオ入出力関連では、ヘッドフォン出力、マイク入力、S/PDIF(同軸デジタル音声)出力をそれぞれ独立した端子として本体左側面に搭載している。サラウンド音声の収録されたDVD、ブルーレイディスクやゲームを楽しむ際は、S/PDIF出力からAVアンプなどのオーディオシステムに接続することで、迫力のあるサラウンド再生が可能だ。また、最近では「ハイレゾ音源」などと呼ばれる、24bit/96kHzなど、CDを上回るフォーマットで提供される音楽データも話題となっているが、PC本体のヘッドフォン端子ではなく、S/PDIF入力を持つポータブルアンプなどを介して再生することで、そのような音源の表現力を最大限引き出すことができるだろう。

サウンド出力ではS/PDIF(同軸デジタル)を独立した端子として装備している

実際のパフォーマンスについては、前回のレビューでベンチマークテストを行っているのでそれを参照していただきたいが、ヘビーゲーマーやプロのクリエイターでない限り、コンシューマー用途でおよそ考えられる、あらゆる用途に対応できる性能を有していると考えられる。

本機はCPUに高性能なCore i7を採用しているのに加え、グラフィックスチップとしてGeForce GTX 760Mを搭載しているのが大きな特徴となっている。モバイル向けGPUの性能は若干わかりにくいかもしれないが、3DMark Vantageでグラフィックス性能を測定したところ、デスクトップ向けのGPUで考えるとGeForce GTX 650と同等かやや上回る程度のスコアに相当するようだ。

3DMark VantageのPerformanceプリセットの実行結果

3DMark Vantage Performanceプリセット
3Dmarks P13793
GPU SCORE 12215
CPU SCORE 22521
3DMark Vantage GPU SCORE
1280×720 17285
1920×1080 8294

GeForce GTX 650といえば、ゲームメーカーが認定する「ゲーム推奨PC」にも採用されているグラフィックスカードであり、多くの人気タイトルを動作させることが可能と考えられる。もちろん本機はいわゆる「ゲーミングPC」ではないので、最新のタイトルも含めあらゆるゲームを快適に楽しみたいというユーザーは、ゲーマー向けに設計された専用機種を検討したほうがいいが、国産オンラインRPGでおおむね標準的な動作ができればいいという程度であれば、本機でも十分なパフォーマンスが期待できるだろう。

キーボードはテンキーを標準装備しており、テンキーに操作が割り当てられているゲームも快適に楽しめる

NVIDIAのOptimusテクノロジに対応しており、GeForceとCPU内蔵グラフィックスのどちらが有効になっているかがキーボード右側のランプで表示される。電力をセーブするため明示的に内蔵グラフィックスのみに固定することも可能(左からOptimusオン・GeForce、Optimusオン・内蔵、Optimusオフ・内蔵)

もちろん、CPUは"Haswell"世代のCore i7なので、省電力かつ高性能を実現している。CPU内蔵グラフィックス機能を利用して動画エンコードなどを高速化する機能も利用可能で、例えばTMPGEnc Video Mastering Works 5で、10分間の地デジ相当(1440×1080ドット、15Mbps、MPEG-2)の映像をモバイル機器再生用(1280×720ドット、4Mbps、H.264)に変換した場合、CPUだけで処理すると7分39秒だったが、内蔵グラフィックス機能を使用すると3分18秒と、半分以下の時間で変換が完了した。動画を外へ持ち出したいときなどに待たさせれる時間も大幅に短縮できる。

動画エンコードをCPUだけで行った場合(左)と、支援機能を利用した場合(右)の違い。今回のテストでは約2.3倍の速度での処理が可能なことが確認できたが、設定やソフトによってはさらに高速になることもある

このように17型大画面ノートというだけであれば、さまざまな選択肢が存在する中、m-Book WシリーズのMB-W710S-SHが人気を集めているのは、そのパワフルさを理解できる上級ユーザーが価値を認めているということだと考えられるが、もちろん本機の良さはパワーユーザーだけのものではなく、ビギナーにとってもメリットが大きい。インターネットで提供される高画質の動画コンテンツなども快適に楽しめるし、本機に搭載されているSSDは全体的な動作レスポンスを向上させ、PCの利用全般に渡って快適性をアップしてくれる。

タッチパッドは左右ボタン独立式で、はっきりしたクリック感もあり使いやすい

MB-W710S-SHは、メインマシンを新調するならこれを選んでおけば間違いない、といえるハイスペックかつ高コストパフォーマンスな一台だ。長く使い続けられる高い満足度を提供してくれることだろう。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 MB-W710S-SH
ディスプレイ 17.3型フルHDノングレア液晶(1920×1080)
CPU インテル Core i7-4700MQ
メモリ 16GB PC3-12800 DDR3L SO-DIMM
SSD 120GB(SerialATAIII接続)
HDD 500GB SerialATAII
チップセット モバイル インテル HM87 Express
光学ドライブ ブルーレイディスクドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 760M
OS Windows 8.1 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×3(右側面×3)、USB 2.0×1(左側面×1)
サイズ W413×D277.5×H17.5~44mm(折り畳み時)
重量 約3.2kg
バッテリー駆動時間 約3.83時間
価格 129,990円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2014/1/23(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。