このデバイスを手に入れて普段iPhone 5sで利用していたSIMカードを挿し込んでしばらく過ごしてみると、iOSとAndroidの違いはあれ、「これで良いじゃないか」という充分な性能を体験することができた。iPhone 5sはLTEに対応し、また64ビットプロセッサを搭載しているのに対し、Moto GはLTE非対応で1年前の最高性能だったクアッドコアプロセッサ。さすがに通信速度はiPhone 5sに劣るが、それ以外に不満はなかった。

同時に、iPhone 5sでは夕方頃に充電しなければならなくなるが、Moto Gは夜寝るギリギリまでキチンとバッテリを持たせることができた。2070mAhという大容量バッテリーを搭載したことと、ディスプレイ・プロセッサといったバッテリー消費を左右する2つの要素が過剰な性能ではないことも助けたのではないだろうか。

繰り返すが、スマートフォンそのものの性能は充分な成熟の域にある。その上で、使いやすいサイズと重さ、夜まで長持ちするバッテリー、自由な使いやすさといったスペック以外の要素がより重要視されるだろう。iOSとAndroidの市場支配に関する戦いはAndroidに軍配が上がった、という結論で2013年を終えた。

その結果、AndroidはSIMフリーで低価格という点が最大の付加価値であるMoto Gが「最適解」だとすれば、おそらく再び消費者を驚かせるであろうAppleが2014年のiPhoneがどんな姿になるのかにより注目したくなってしまう。