2つのディスプレイを搭載し、独立して使うことも、組み合わせて一つのディスプレイとして使うこともできるという斬新なコンセプトは、当時大きな話題となった。……しかし、残念なことに「MEDIAS W」はブレイクしなかった。筆者も一度触ってみたが、端末としてはよくできていたと思うし、コンセプトも面白かったと思う。実際、ネットでの評判を見てみると、購入したユーザーの評価も概ね良好だ。
しかし、「MEDIAS W」はそうはいってもやはりスマートフォンの範疇だったし、スマートフォンとして売りだされた。であれば、すでに「スマートフォンとはこういうものだ」という共通認識が定着している現在、「MEDIAS W」はあくまでイロモノとして扱われるしかなかったのだと思う。
おそらく、今後スマートフォンを名乗りながら大きな革命を起こすのは不可能だ。最初にiPhoneが登場し大ヒットした時点で、スマートフォンの完成形は見えていたのである。
2014年に始まる次世代端末の"スタンダード"獲得競争
2013年でそれがはっきりとわかった今、メーカーの視点はすでに次世代の端末に移っている。代表的なのが、グーグルグラスを始めとするウェアラブルデバイスだ。まだ見ぬアップルの次世代端末もおそらく2014年に輪郭が見えてくるだろうし、世界中のメーカーも参入してくるだろう。モノがあるという点ではGoogleが一歩リードしていると言えなくもないが、まだまだ次世代端末は「これ」という形が定まっていない。おそらく、2014年からは、本格的な次世代端末の「スタンダード」を獲得するための覇権争いがスタートするはずだ。
一方で、2014年はまだまだスマートフォン拡充の年になることは間違いない。IDC Japanが発表した国内のスマートフォン加入者数予測では、2014年のスマートフォンユーザーは2013年よりも23%増加して6277万人に達する見込みだという。このあたりからスマホユーザーの伸びは鈍化するが、それでも2017年には7401万人まで膨らむと予想されている。そのあたりまではスマートフォンの時代が続き、同時進行で次世代端末の競争が行われるのではないだろうか。
では、安定期に入ったスマートフォンは2014年以降、どう進化していくべきなのか。