2軸ブラケティングで9枚(3枚×3枚)を連写

EX-10を代表する撮影機能といえば、なんといっても「プレミアムブラケティング」。露出やホワイトバランス、コントラストといった撮影要素のうち、2つを組み合わせて、少しずつパラメーターをずらしながら9連写。これにより、一度の撮影で変化に富んだ9バリエーションの写真を撮影できる、という機能だ。

プレミアムブラケティングには、「オート1:フォーカス×絞り」「オート2:ホワイトバランス×明るさ」「オート3:コントラスト×彩度」「オート4:シャッタースピード」の4つのプリセットと、その振り幅(シフト幅)をカスタマイズできるモードが用意されている。

カスタマイズモードでは、上記の組み合わせに加えて「コントラスト×明るさ」も選択可能だ。なお、各要素を自由に組み合わせることはできない。個人的には、「ホワイトバランス×絞り」や「ホワイトバランス×コントラスト」でブラケティング撮影をしてみたかったので、次期以降のモデルで実装されることを期待している。

プレミアムブラケティングの設定画面。写真左の上一列(4種類)がプリセットモード。パラメーターを1つだけ使うブラケティング機能もある。写真右はカスタマイズモード

プレミアムブラケティングはメカシャッターで9連写するため(「オート4:シャッタースピード」のみ3連写)、1枚目と9枚目では1秒以上の時間が経過してしまう。よって、動く被写体の撮影にはあまり向いていない。走行する電車や車をプレミアムブラケティング撮影すると、その時間感覚が分かるだろう。基本的には、シャッターチャンスに左右されない静物、あるいは風景写真で実力を発揮する機能だ。

プレミアムブラケティングで通過電車を撮影。1コマ目(中央)から9コマ目(右上)まで、これだけの移動が生じる

「オート1:フォーカス×絞り」

「オート1:フォーカス×絞り」は、ワンシャッターの画像合成では実現できない、メカシャッター連写ならではのブラケティング撮影プリセットだ。その名称からも、フォーカス位置と絞りをシフトさせながら連写することは想像できるだろう。

ここで見落としがちなのは、絞りが変化しながらも露出が変わらないこと。すなわち、シャッタースピードもまた変化するということだ。以下の作例をご覧いただきたい。晴天下の日中はともかく、十分な光量が得られない状態では、被写体ブレが発生することを覚えておこう。

「オート1:フォーカス×絞り」で撮影。右へ行くほどフォーカスが後ろになり、上に行くほど被写界深度が深くなる。露出はキープされるので、被写界深度が深くなればシャッタースピードは遅くなる

次に、プレミアムブラケティングのプリセットモードでよく使う、「オート2:ホワイトバランス×明るさ」と「オート3:コントラスト×彩度」の実写を紹介しよう。