ベンチマークテストでパフォーマンスを確かめる

「D54250WYK」に搭載されているIntel Core i5-4250Uのスペックは、2コア/4スレッドで、ベースクロックが1.3GHz、ターボ・ブースト時が最大2.6GHz、内蔵グラフィックスとしてIntel HD Graphics 5000を統合する。CPU-Zの表示は以下の通り。

GPU-Zでの表示

まずWindowsエクスペリエンスインデックスから見てみよう。プロセッサの数値はIntel Core i5-4200U(1.6GHz/2.6GHz)辺りを搭載したノートPCと変わらないくらいの値といえる。しかし、グラフィックスは"GT3"のIntel HD Graphics 5000を統合するとあって、内蔵グラフィックスの中では高いパフォーマンスを見せる。

Windows エクスペリエンス インデックス

続いてはPCMark 7の結果を以下に紹介する。

PCMark 7
PCMark score 4894
Lightweight score 5264
Productivity score 4170
Entertainment score 3564
Creativity score 9446
Computation score 14942
System storage score 5379
RAW System storage score 5637

グラフィックスのパフォーマンステストとして、3DMarkを実施。内蔵グラフィックスの中ではミドルレンジ以上に位置するIntel HD Graphics 5000だが、FireStrikeではかなりカクカクとした表示で、やはり高負荷時はきついという印象だ。

最後にゲームタイトルを用いたテストとして、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」と「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」を実施した。

ドラゴンクエストXは12月5日からバージョン2.0となる「眠れる勇者と導きの盟友 オンライン」が開始、一方の新生FFXIVも12月17日にサービス開始後初となる大型アップデート「パッチ2.1 覚醒せし者たち」を実装した。現在のMMORPGの中でも最もホットな2タイトルで、「D54250WYK」はどの程度のパフォーマンスを見せるのか。

ドラゴンクエストXでは、「標準画質」と「最高画質」それぞれで、1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの解像度でテストした。新生FFXIVでは「標準(ノートPC)」→「高品質(ノートPC)」→「最高品質」とプリセットを変え、さらにドラクエX同様に1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの解像度でテストした。

ドラクエXの場合、1,280×720ドットの標準画質で「快適」、最高画質で「普通」と特に問題なくプレイができそうだ。ただ、最高画質のときに画面内に多数のオブジェクトが表示されると少しラグが発生することもあった。

1,920×1,080ドットでは、標準画質・最高画質ともに「やや重い」という判定だった。細かいところでストレスがたまりそうなので、素直に設定や解像度を調整した方がよさそうだ。

新生FFXIVの場合、1,280×720ドットの「標準(ノートPC)」で「やや快適」、「高品質(ノートPC)」で「普通」、「最高品質」で「設定変更を推奨」となった。平均FPSを見るとそれぞれ26.476、16.972、12.547であり、実際のところは1,280×720ドットの「標準(ノートPC)」がおそらくぎりぎりというレベル。派手なエフェクトの呪文がキャストされるような場面では表示がカクついてしまっていた。1,280×720ドットでこういう状況なので、1,920×1,080ドットではいうに及ばずプレイは困難だった。

いずれにせよ、どちらのゲームタイトルでも、フルHDの最高設定で楽しむというのはさすがに無理だが、解像度と設定の調整でそこそこ快適に遊べるというレベルであることが分かった。

年末年始はおコタでNUCを

さて、ここまでHaswell搭載NUC「D54250WYK」を紹介してきたが、世代を重ねてかなり洗練された製品になってきたという印象だ。最初のモデルは手軽に組める超小型フォームファクタという部分で目を引いたが、使い勝手では"あと少し"と思うこともあった。今回、CPUをHaswell世代に刷新してパフォーマンスが向上したほか、インタフェースの大幅な強化で、かなり"使える"ようになったのではないか。

高速なUSB 3.0が増えたので大容量HDDを接続したホームサーバも構築しやすくなったし、動画配信サイトの視聴マシンとしても申し分ない。Haswellで"ライトなゲームマシン"としての魅力も高まった。ベンチマークテストで実施したようなMMORPGだけではなく、話題の「艦隊これくしょん」などのブラウザゲームも余裕で遊べそうだ。

Bluetooth対応の無線LANモジュールと、「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」のようなワイヤレスのポインティングデバイス一体型キーボードを組み合わせることで、ちょっと離れた場所でも操作は可能だ。VASAマウント用のアダプタも同梱されているので、すぐに取り付けもできる。

ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボードはNUCに相性抜群のキーボードだ

コタツに入りながら、あるいは布団に寝ながら、テレビにつないだNUCでゲームをしたり、動画を見たり……なんてダメ人間的には最高の環境が整ってしまうかもしれない。

ちなみに従来モデルのNUCではパッケージを開封するとおなじみのIntelのジングルがなるのだが、Haswell搭載モデルでは製品の特長が書いた紙が収められている小型の箱が収まっており、これを開けるとジングルがなる

小箱の内側に光センサを備えた装置が取り付けられている