次は、組み立てたスピーカーとアンプを接続する。アンプとは、音声信号を増幅する機械のこと。普段、スマートフォンやパソコンと接続して利用しているスピーカーは、アンプを内蔵したスピーカーであることが多い。ギターなどの楽器もアンプに接続することで音を増幅しており、オーディオ初心者でも名前は聞いたことがあると思う。ちなみに、アンプ内蔵のスピーカーを「アクティブスピーカー」、内蔵しないスピーカーを「パッシブスピーカー」という。
スピーカーとアンプの接続には、スピーカーケーブルを利用する。接続方法は簡単。スピーカー背面とアンプ背面にある接続部分に、スピーカーケーブルを繋ぐだけだ。接続が完了したら、付属の3.5mmステレオミニケーブルで、iPhoneやウォークマンなどをアンプに接続しよう。正常に接続できていれば、オーディオ機器で楽曲を再生し、アンプのボリュームを上げると音が出るはずだ。音が流れれば「KANSPI-10」の組み立て完了となる。
組み立てが完了し、スピーカーから音が鳴った瞬間は、非常に達成感がある。"自作"といっても、既成品のパーツを組み合わせただけなのだが、それでも手間をかけて作ると愛着がわいてくる。また「KANSPI-10」は実用性も高い。この小さいスピーカーからは想像できないほど、伸びのある音が出る。低音が強い曲を再生し、音量をあげると力強い音とともに、スピーカーがゆれる。見た目は、シンプルで少し頼りないかもしれないが、自宅やお店など様々な場面で使えるスピーカーだと思う。
筆者はしばらくの間、何かを自作する経験から遠のいていたが、この自作スピーカーキットで、久しぶりに"自作の楽しさ"を感じることができた。約1万円の初心者向けキットで、こんなことを言うと、ベテラン自作ユーザーから怒られそうだが……。それでも、初心者向けとしては最適な商品ではないかと、読者にオススメしたい。