大人になると工作する機会はそうないが、"自分で何かを作ってみたい"と感じる読者も多いのではないだろうか。日常生活で使うものを自作すると、愛着がわいてより物を大切にできる気がする。せっかくの冬休みだ。久しぶりに自由工作をしてみるのはどうだろう。

この記事では、約1万円で購入できる初心者向け自作スピーカーキット「かんすぴ」(フォステクス製)を紹介していこう。"自作スピーカー"と聞くと難しい印象があるかもしれないが、ドライバーとカッターだけで簡単に組み立てられる。スピーカーを構成する各パーツがセットになった「KANSPI-10」を完成させるまでの手順を説明しながら、「かんすぴ」の魅力をお伝えしたい。

「KANSPI-10」の中身(iPhoneは僕の私物ですよ)

必要な道具はドライバー、カッター、ボールペン、雑誌×2

「KANSPI-10」は、スピーカーボックス×2、スピーカーユニット×2、パーソナルアンプ、スピーカーケーブルがセットになっている。これらの部品をネジ留めしたり、ケーブルで接続したりしながら、スピーカーを組み立てていく。各製品の役割は後述する。組み立てに必要なのは、ドライバー、カッター、ボールペン、雑誌×2のみ。

スピーカーボックス。中にスピーカーユニットと接続するコードが入っている

スピーカーユニット。スピーカーの核になる部分

まずは、スピーカーボックスにスピーカーユニットを取り付ける。スピーカーユニットは、オーディオプレイヤーなどから送られてきた音声信号を"音"に変換する装置のこと。低音用は「ウーファー」、高音用は「ツィーター」、全音域用は「フルレンジ」と呼ばれる。

ボールペンでグリグリと、ネジ留め用のマーキングを行う。スピーカーボックスの背面がでっぱっているため、雑誌2冊で凹凸部を間に挟むようにして土台を作る

スピーカーユニットをスピーカーボックスにはめ込み、ネジ留め用の印を4カ所に付ける。その後、ドライバーユニットを取り外し、印の突いた部分にネジを仮留めしていく。注意点は、この時点でネジを締めるのは半分までにすること。4カ所に下穴を開けたら、一度ネジを外す。

ネジ留めは半分まで。木が硬いので、二回に分けてネジ留めする

ネジを外すと、下穴の周りが盛り上がっているので、カッターで木くずを削る。周りが平らになったら、スピーカーボックスの中にあるコードを外に出し、スピーカーユニットに接続する。あとはスピーカーユニットをはめ込み、今度は最後までネジ留めして組み立て完了となる。作業自体は簡単なのだが、木を削ったり、ネジ留めしたりするのは、いかにも"自作"っぽくてテンションが上がる。

平らになるように、丁寧に削っていく