マウスコンピューターのゲーマー向けPCブランド・G-Tuneから、グラフィックスカードに「Radeon R9 290X」を採用したミドルタワーPC「NEXTGEAR i630GA3-SP2」(販売価格169,890円)が発売されている。AMD Radeonシリーズ最高峰となるR9 290Xを搭載したマシンの性能がいかほどのものか、実機に触れる機会を得られたので早速チェックしてみよう。
最新アーキテクチャ・最上位のRadeon R9 290Xを搭載
Radeon R9 290Xは2013年11月に流通し始めたばかりのAMD製GPUで、同社Radeonシリーズのハイエンドモデルとしては最新・最上位の製品だ。ライバルとなるNVIDIAのGeForceシリーズに対しては、GeForce GTX 780や同GTX 780 Tiの対抗馬となる製品であり、旧ATI時代からのファンを含め、Radeon派のユーザーは性能が特に気になるGPUだろう。
ゲーマー向けのRadeon R9シリーズおよび普及価格帯のRadeon R7シリーズでは、それまでのRadeon HD 7000シリーズのアーキテクチャをさらに発展させ、ゲーム開発者がハードウェアのより深い部分を制御できる、「Mantle(マントル)」と呼ばれる技術を導入している。またゲームのサウンドは、単に音楽ファイルを再生するときと異なり、多数の効果音やエフェクト処理がリアルタイムで発生するため、CPUにもそれなりの負担がかかるが、Radeon R9/R7シリーズではGPUにサウンドプロセッサを統合した「TrueAudio」テクノロジーの採用により、CPUに過大な負荷をかけずに高品質なサウンド再生が可能となっている。
このようなAMDの技術に対応したPCゲームはまだ限られているが、最新家庭用ゲーム機(日本では2014年に発売予定)のPlayStation 4およびXbox Oneでは、AMDのGPUが採用されており、それらのゲーム機にも一部共通した技術が用いられていると見られている。今後新世代のゲーム機に対応したタイトルの開発が進めば、PCゲームでもRadeonのアドバンテージがより積極的に活かされる可能性が高くなるため、将来性のあるアーキテクチャということができるだろう。
ハイエンドグラフィックスカードも余裕を持って搭載可能
今回紹介する「NEXTGEAR」シリーズは、ミドルタワー型の筐体を採用したG-Tuneの主力デスクトップPCだ。シリーズ全体としてはGeForce搭載機中心でラインナップを構成しているが、今回のようなハイエンドGPUについては"カスタムモデル"という位置付けでRadeon搭載機を用意している。チップセットはインテルZ87、CPUは"Haswell"世代の最上位モデルであるCore i7-4770K(動作周波数3.50GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.90GHz)と、ハイスペックゲーミングPCの王道的な構成になっており、ハイエンドRadeonのパワーを手軽に味わうことができる。
NEXTGEARシリーズのオリジナルケースはこれまでも何度か紹介してきたので、簡単に特徴をおさらいしておこう。内部は、グラフィックスカードが装着される高さから前面のストレージベイが取り除かれており、最新の高性能グラフィックスカードを装着してもパーツがぶつからず、エアフローを妨げることもないように設計されている。また、この高さには前面吸気ファンが取り付けられており、フロント部から入ってきた外気がそのままグラフィックスカードへと導かれるので、長時間のゲームプレイ時も高い冷却能力を発揮できる。
前面はドア付きのパネルとなっており、電源ボタンやUSBポートなどはドアの外に設けられているので、DVDドライブへアクセスするとき以外はドアを閉めたままでいい。ドアは脱着式で、外した場合にヒンジ部のくぼみを埋めるキャップも付属しているので、ドアが不要なユーザーは取り外してしまうこともできる。そのほか、ケース前面はフィルター付きのメッシュパネルで、フィルターもワンタッチで外して簡単に清掃できる設計となっている。
また、冒頭の製品写真でいっしょに写っているiiyamaのゲーマー向け液晶ディスプレイ「ProLite G2773HS-2」(27型、BTO価格35,700円)は144Hzの高速駆動に対応しているので、今回のようなハイエンドグラフィックスカードと組み合わせることで、一般的な60Hz駆動液晶に比べさらになめらかな映像を得ることができる。
ゲーマー向け液晶のProLite G2773HS-2では最大144Hzの高速駆動に対応 |