実際にVESAマウントしてみよう

さて、フットスタンドでの使用でもこのコンパクトさは十分味わうことが可能だが、LUV MACHINES miniの魅力をさらに引き出すのが、付属のVESA取り付けキットを利用したディスプレイへの固定だ。

ディスプレイの背面には、位置調整可能なアームなどでディスプレイを支持するためのネジ穴が開けられていることが多い。この穴の位置はPC映像関連の標準化団体にあたるVESAによって規格化されており、規格に対応したディスプレイとアーム同士あれば、基本的に機種を選ばず固定が可能となっている(正しく支持できるかどうかはディスプレイの重量等にもよる)。

LUV MACHINES mini付属のVESA取り付けキットには、VESA規格に対応したネジ穴が開けられている。ネジ穴の規格は75×75mmと100×100mmの2種類があるが、どちらにも対応している

本来はアームを取り付けるための仕組みだが、LUV MACHINES miniのような小型のPCでは、このVESA規格対応のネジ穴を利用して、PC本体をディスプレイの背面に固定することが可能となっている。ディスプレイと本体が一体となることでさらなる省スペース化が可能で、机の上のスペースをより有効に活用できる。今回は、iiyamaの「ProLite XB2380HS-2」(BTO価格18,900円)を利用してLUV MACHINES miniを背面に固定してみよう。

iiyamaの23型IPS液晶ディスプレイ「ProLite XB2380HS-2」

ProLite XB2380HS-2はVESA規格に対応したネジ穴を備えているのだが、実はこの穴を使うわけにはいかない。なぜなら、ディスプレイに付属のスタンドがすでに取り付けられているため、ネジ穴を利用するにはスタンドを取り外さなければならないからだ。ディスプレイ自体の底面に脚が付いているものなら、ネジ穴は空いているのでそこにPCを固定すればいいわけだが、今回のような機種では別のアプローチが必要となる。

VESA規格に対応する100×100mmのレイアウトでネジ穴が開けられているが、付属のスタンドがすでに取り付けられているため、PCの固定用には使用できない

幸い、ProLite XB2380HS-2にはオプションとして小型PCの取り付け用ブラケット「PC Bracket BRPCV01」が用意されており、このブラケットをスタンドに差し込むことで、スタンドの前にはディスプレイ、後ろにはPCと、同時に背負わせられるようになっている。今回はこのオプションを使おう。

なお、単体モデルのLm-mini61Bでは、ブラケット「PC Bracket BRPCV01」の販売は行われていない。しかし、「Lm-mini60B」と液晶ディスプレイ「ProLite XB2380HS-2」がセットになった「Lm-mini60B-P23SB」(販売価格69,930円)なら、このブラケットが付属している。メモリとHDDの容量をBTOで増やせば、Lm-mini61B相当のスペックにすることも可能だ。

上から差し込むだけで小型PCを背負わせられるブラケットが、オプションで用意されている

取り付けに必要な工具はプラスドライバー1本で、専門的な技術は必要ない。まず、LUV MACHINES mini付属のVESA取り付けキットと、ProLite XB2380HS-2オプションのブラケットをネジで固定する。次に、フットスタンドを取り外したLUV MACHINES miniを取り付けキットに装着し、底面のネジを締める。あとはブラケット部分をProLite XB2380HS-2のスタンドに差し込めば、ディスプレイへの設置が完了する。

【1】まずVESA取り付けキットとオプションのブラケットをネジで固定する

【2】LUV MACHINES mini本体を取り付けキットに装着し、フットスタンドと同じ位置のネジで固定

【3】あとはブラケット部分をスタンドの背面に差し込めば完成だ

当然のことながら、この状態で正面から見ても裏側にPC本体が背負われていることはわからない。今回、LUV MACHINES miniとProLite XB2380HS-2の間は短めのHDMIケーブルで接続したので、そのケーブルも正面からは見えなかった。ワイヤレス式のキーボードとマウスを使えば、視界に入るケーブルは本体とディスプレイの電源のみなので、非常にすっきりとした印象に仕上がった。HDMIなら音声も伝送できるので、別途音声ケーブルをつながなくてもWindowsのシステム音をディスプレイの内蔵スピーカーから再生できる。

電源ケーブル2本だけのスッキリしたスタイルで使用できる。ワイヤレスマウスのほか、タッチパネル液晶を組み合わせるのもいいだろう

インターネットからサイネージ用途まで幅広く対応

ノートPC用のパーツを使用し、CPUもCeleronまたはCore i3に限られているため、パフォーマンスを追求する性質の製品でないことは明らかだが、念のため基本的なベンチマークテストも行っておこう。

試用機のOSがWindows 8.1でエクスペリエンス インデックスの機能がないため、システム評価ツール(WinSATコマンド)の実行結果だが、CPUが6.6、メモリが7.5と、インターネットの利用やOffice文書の編集などであれば、不満を感じることのない水準のスコアだ。HDDモデルのためストレージ性能は5.9止まりとなっているが、SSDモデルでは7台後半から8前後のスコアが得られるだろう。

Windowsシステム評価ツール
CPU 6.6
メモリ 7.5
グラフィックス 4.8
ゲーム用グラフィックス 4.8
ハードディスク 5.9

本機のCore i3は"Ivy Bridge"世代だが、負荷の軽いタイトルであれば、一応1280×720ドットの解像度でゲームを動かすことも可能。実際にはこのマシンでゲームをプレイするユーザーはほとんどいないだろうが、このくらいのパフォーマンスがあれば、Flashコンテンツや動画の再生くらいはまったく問題ないので、例えば店頭に本機とディスプレイを設置して終日映像を流しっぱなしにするといった、サイネージ用途での利用にも十分対応できると考えられる。

3DMark Vantage Performanceプリセット
3Dmarks P2824
GPU SCORE 2378
CPU SCORE 6445

「3DMark Vantage」Performanceプリセットの実行結果

3DMark Vantage GPU SCORE
1280×720 3298
1920×1080 1635
BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10)
1280×720 27.6fps
1920×1080 15.7fps
モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク 大討伐
1280×720 1930
1920×1080 1012
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
1280×720
【標準品質(デスクトップPC)】
2655
1920×1080
【標準品質(デスクトップPC)】
1364

解像度1280×720ドットで、描画品質をある程度下げてやれば一応ゲームも動かないことはない

また、内部スペースに余裕のない構造のため、電源オン直後から冷却ファンの動作音が少し聞こえるが、ベンチマークテスト中にもファンの音が極端に大きくなるといったことはなかった。普段は無音だが少し負荷をかけるとファンが大きな音を立てて回り出すよりは、多少の音は聞こえても、負荷による動作音の差が小さいほうが気になりにくいと思われるので、高負荷時も快適に使用することができるだろう。

デスクトップPCを使うには、通常は本体とディスプレイの両方の設置場所を確保する必要があるが、LUV MACHINES miniならディスプレイを置くスペースだけでいいので、リビングなどの生活空間でもPCを快適に利用できる。ハイスペックなデスクトップPCは不要だが、ノートPCでは画面が小さくて不便というユーザーにも最適だろう。また、省スペースなのでオフィスはもちろん、各種店舗での導入にも適している。タッチ操作対応のディスプレイと組み合わせるのも面白そうだ。小さなボディだが、PCの活躍の場を大きく広げる一台ということができる。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 Lm-mini61B
CPU インテル Core i3-3227U
メモリ 8GB PC3-12800 DDR3
HDD 500GB SerialATAII
チップセット モバイル インテル HM76 Express
光学ドライブ
グラフィックス インテル HD グラフィックス 4000
OS Windows 8.1 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×2(背面×2)、USB 2.0×4(前面×4)
サイズ W26×D151×H195mm(本体のみ)
W72.2×D151×H218.3mm(スタンド装着時 ※スタンド幅含む)
ディスプレイ
価格 59,850円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2013/12/18(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。