JR東日本、JR東海、JR西日本、JR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物は20日、来春実施するダイヤ改正について発表した。改正日は2014年3月15日。各社の発表をもとに、ダイヤ改正のポイントをまとめた。

寝台特急「あけぼの」。来年3月で定期列車としての運転を終える

今回の発表で注目された列車のひとつが、上野~青森間の寝台特急「あけぼの」。本誌既報の通り、利用者減少や車両の老朽化などにともない、定期列車での運転を取りやめ、ダイヤ改正後は多客期に臨時列車として運転される。同列車は羽後本荘~青森間にて、立席特急券で乗車可能だった。JR東日本盛岡支社によれば、秋田~青森間の利便性確保のため、新たに臨時特急「つがる」を1往復増設。当分の間、毎日運転するという。

唯一の客車夜行急行列車「はまなす」(青森~札幌間)は、北海道新幹線開業に向けた青函トンネル工事の影響で、下り列車の青森駅発車時刻が変更に。現行の22時42分発から24分早められ、22時18分に発車する。

特急「いなほ」へのE653系の投入も進む。現行の1往復から、ダイヤ改正後は計5往復がE653系での運転となり、東京~酒田間の到達時分も平均で下り4分・上り1分短縮される。長野地区などで211系の追加投入も進み、JR東日本長野支社によれば、3両編成の211系を現在の8編成から20編成に増やすとのこと。JR東日本八王子支社も中央本線の普通列車の一部を211系に置き換えるとしており、ともに115系が置換えの対象となる。

特急「いなほ」に投入されたE653系1000番台

長野地区の211系は帯色が変更されている

JR東日本は在来線において、これらの他にも、高崎線経由の特急列車への651系投入と特急「スワローあかぎ」の新設烏山線への新型車両EV-E301系(愛称名「ACCUM」)投入などを発表している。南武線の快速運転区間を現在の川崎~登戸間から川崎~稲城長沼間へ拡大するほか、新松戸駅での武蔵野線・常磐線の接続改善、「むさしの号」の運転時刻見直しなど、「東京メガループ」の利便性向上も図る。

大阪~草津間に新たなディーゼル特急が登場

JR東海は在来線において、中央本線から愛知環状鉄道線への直通列車を見直し、平日昼間5往復の運転を取りやめる。静岡地区では夕方の通勤時間帯に、静岡駅を19時台に発車する沼津行のホームライナーを新設する。

JR西日本はJR京都線・琵琶湖線(東海道本線)にて、平日夕方の通勤時間帯に特急「びわこエクスプレス」を増発。新たに設定される大阪発草津行「びわこエクスプレス2号」(大阪駅20時36分発)では、特急「はまかぜ」の車両(キハ189系)が使用されるという。

北陸本線では521系3次車の投入が決まっており、これに合わせて521系の運転本数も拡大されることに。金沢~富山間では、521系を使用する列車が現在の約3倍となり、「乗り心地の良い車両でサービスの向上を図ります」(JR西日本金沢支社)とのこと。

特急「びわこエクスプレス2号」はキハ189系を使用

北陸本線金沢~富山間を走る521系

JR四国のダイヤ改正では、特急「しおかぜ」のグリーン車の位置や車両号数、座席表示を統一してわかりやすくし、岡山駅・松山駅などでの乗換えも便利に。特急「しおかぜ」と併結する特急「いしづち」を同一の号数とし、併結しない「いしづち」は3桁の号数に、朝の時間帯に運転される「いしづち」は「モーニングEXP」に愛称を変更する。6月以降、特急「いしづち103・104号」(高松~松山間)で新型車両8600系が運転開始される予定だ。

特急「有明」熊本駅発着の列車が消滅

JR九州は福岡・北九州地区の鹿児島本線を中心に、運転体系の見直しを図る。小倉~博多間の快速・準快速・普通列車の停車パターンを整理し、準快速は小倉~福間間の各駅に停車するタイプに変更。門司港・小倉~博多間の特急「きらめき」の運転本数も見直され、現在の1日31本から1日25本へ変更される。

787系6両編成の特急「かもめ」。ダイヤ改正で7両編成に

特急「有明」も運転区間・本数が見直され、現行の熊本発「有明2号」がなくなり、熊本行「有明7号」も長洲駅止まりに。ダイヤ改正後は上り2本・下り3本の運転で、すべて長洲駅発着となる。その他、787系を使用する特急「かもめ」が6両編成から7両編成に変更され、特急「きらめき」「有明」「みどり」の一部列車にも7両編成の787系が使用されるとのこと。

JR北海道のダイヤ改正は、東北新幹線に接続する特急「スーパー白鳥」「白鳥」および函館~札幌間の特急「スーパー北斗」「北斗」一部列車の時刻変更、特急「スーパー宗谷」の減速(最高速度130km/hから120km/h)などがおもな内容。11月のダイヤ修正で接続できなくなっていた列車の一部が改善され、函館駅での接続などが比較的スムーズになる一方、特急「スーパー宗谷」の時刻変更により、札幌駅での「スーパー宗谷2号」から「スーパー北斗10号」へ接続できなくなる。なお、キハ183系を使用する特急「北斗」「サロベツ」は引き続き運休となる。

JR貨物も3月15日にダイヤ改正を実施。関東~関西間の速達列車の設定、主要都市間を結ぶコンテナ列車の速達化、翌日配送圏の拡大などに加え、輸送品質向上のための設備投資も積極的に行い、機関車14両、コンテナ車178両、コンテナ4,000個を新製するという。

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