クイックメニューを使わずにアプリケーションを選択する
クイックメニューは、iX500を使いやすくしているユーザーインタフェースの1つだ。iX500本体のスキャンボタンを押すと、スキャン後にクイックメニューが表示され、そこから保存場所やアプリケーションを選ぶ。もし、あらかじめ保存先が決まっているなら、クイックメニューを経由せずに操作ステップを減らすことが可能だ。
これは慣れた人向けの設定だが、自分のスキャン用途が決まってくると、スキャン設定の内容も自ずと限られてくる。いつも同じようなスキャンを実行しているなら、ScanSnap Managerを起動して「クイックメニューを使用する」のチェックを外すのもよいだろう。
このチェックを外すと、「アプリ選択」のタブで「クイックメニュー」以外の項目が選べるようになる。メニューの内容は、クイックメニューと同じ。ここであらかじめ指定しておくことで、スキャンボタンを1度押すだけで、データの保存まで全自動で行えるようになるというわけだ。
ちなみに選んだ項目によっては、「アプリケーションの設定」ボタンが押せる場合もある。例えば「Evernote」を選ぶと、OCR処理を行うための「読み取り可能なPDFにする」というオプションが利用できるようになる。また「ピクチャフォルダに保存」や「Dropbox」を選ぶと、プレビューを表示するしないなどを設定可能だ。
オリジナルの読み取り設定を登録して使い分ける
クイックメニューを無効にすると、「読み取り設定」も使えるようになる。これは、カスタマイズした読み取り設定に名前を付けて保存する機能だ。デフォルトでもいくつか登録されており、項目を選ぶだけで、それぞれの用途別にカスタマイズした設定を呼び出せる。名刺の読み取りに適した設定や、自炊用の設定などを作っておけば、スキャンの効率もアップする。
設定を保存するには、「読み取り設定」から、「新しい読み取り設定」を選択する。読み取り設定の新規作成画面がポップアップするので、現在の設定に名前を付けて保存すればよい。リストに読み取り設定が追加され、以後は、リストをクリックするだけで、利用したい設定を簡単に呼び出せるようになる。
また「読み取り設定の管理」をクリックすると、読み取り設定の順番や名前を変更することが可能だ。不要になった項目もここで整理できる。
―――――
これまで全10回にわたって「ScanSnap iX500」の使い方を紹介してきた。ドキュメントスキャナとして歴史を持ち、定番の地位を確立しているScanSnapシリーズだけあって、手軽にサクッと使える一面と、詳細な設定で思い通りに使いこなせる深さをうまくミックスしている。購入を検討している人は多いと思うが、この『ゼロからはじめる「ScanSnap」』が多少なりとも参考になれば幸いだ。